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「いらっしゃいませー!何名様で、」
お休みを貰った次の週の金曜日、ピークも収まってきた頃見覚えのあるお客さんがきた。
「21時に3人で予約した上原です。」
お団子の女性の後ろ、無精髭の男性とほぼケンカみたいに話してる…
「諸伏…さん?」
一瞬で心臓がドクドク音を立てる。
変な汗が止まらない、バレたのか、
私を捕まえにきたのか、怖い…
「貴女は…
そうか、ここで働いているのでしたね。…驚きました。」
無精髭の男性が諸伏さんの後ろからギロリとこちらを睨んでいる。
「いらっしゃいませ!!ご予約席にご案内します!」
後ろからバイトの子が声をかけ、3人は席に案内されていった。
バレた訳じゃなかったのか…
焦った……
「Aちゃん!人手が足りないんだ、裏やってくれるかい!」
「わかりました!」
店長と入れ替わるようにホールから
裏に入る。
人手が足りない…?
ピークも過ぎたから皿洗いもドリンクもそんなに急がなくて大丈夫なのに…
「店長…」
・・・
「いらっしゃい、なんにしましょう。」
カウンターに座る3人。
向き合ったのは店長。
「…裏に、下げさせましたね。」
「あぁ!Aちゃんがあんたに怯えてる様だったからね。なんかあったのかと。」
「七瀬さんは、どのような方なのですか?」
諸伏が問うと店長は昔を懐かしむような顔をして話だした。
「Aちゃんはいい子だよ。」
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作者名:ひねり揚げ | 作成日時:2023年3月14日 10時