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防犯カメラに映っちゃったでしょ。
お店で騒ぎ起こしたくないんだから
気をつけてよ。
桃花が捕まる時、私も捕まるんだから。
そうメッセージを送ってトークルームを削除する。
私たちはいつもトーク履歴を残さない。
もし警察に疑われた時、なんとでも誤魔化せるように。
私があの子に協力していることを誰にも悟らせないように。
「諸伏…高明だっけ、さっきの人。」
なーんか頭良さそう。話し言葉もなんか不思議な感じだったし…
「桃花…」
いつから私はこんなんになっちゃったんだっけ。
大学生になれるはずだったのになぁ…
考えてても仕方ない。
部屋の明かりを点し、途中だった入試問題にまた向き合う。
・・・
「おい、あの容疑者の姉だっつう女はどんな様子だった。」
「妹の居場所は知らない。生きていることすらもあの映像で知った。と…」
「コウメイ、お前はどう思う。」
「…限りなく、黒に近いとしか…
証拠も何もありませんからね。」
「…境遇が似てるからって、変な情持つんじゃねぇぞ。」
「分かっていますよ。そのくらい。」
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作者名:ひねり揚げ | 作成日時:2023年3月14日 10時