男好き49 ページ4
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『あぁ…もうそんなに長くなったのかー』
昔はかなり短かったんだよ、と言って、
Aさんは鏡台の前に置いてある簪を手にとった。
『しのぶちゃんの蝶の髪飾りは、花柱様からの贈り物かな?』
「…そうなんですよ。私が鬼殺隊に入った時に貰いました。
私達が何処に居ても繋がっている証みたいなものですかね」
自分でそう言いながら、何だか恥ずかしい気持ちが胸をくすぐった。
『そう…素敵な姉妹だね』
Aさんの顔に影が掛かる。
「その簪、Aさんも何方からか贈られたもの何ですか?」
『いや、贈られたものではないよ。
…………形見、なのかな?』
Aさんの曖昧な言葉に疑問が残る、
そんな私の気持ちが伝わったのか、Aさんは話を続けた。
話の内容から、Aさんには四つ上のお姉さんが居た事が分かった。
何気ない事だが、何だか少し距離が近づいた様で嬉しい。
『_家の玄関の前に、この簪が落ちていたの。
母は簪を使わないし、私は持っていない。
それで、多分これは姉のものだ、と思った。
姉は毎日、簪で髪を纏めていたから』
「お姉さん、こんな綺麗な簪をお持ちだったんですね」
『……正直な所、本当の事はわからないんだけどねー』
そう言って笑うAさんは何だか寂しそうだった。
「どういう事ですか?」
『私、姉の事何て、全然見ていなかったんだよ。
姉が二、三日家に戻らなくても、何処に居るのか、何をしているのか、気にも留めなかった。
まして、姉がどんな簪を付けているか何て、全く知らなかった』
「Aさん…」
Aさんはお姉さんと仲が良くなかったのだろうか、
それとも他に何かが?
『だから、これが本当に姉の物かは分からない。
私が勝手に姉の形見と思い込んでいるだけかもしれないんだよ』
何だか笑っちゃうよね、と言うAさん。
「きっと、それはお姉さんの物ですよ」
『ふふっ、そうだといいなー』
まだまだAさんは私に自らを曝け出しそうとはしない、
だが、辛抱強く寄り添っていこうと思う。
『でもね、あの簪、何だか見覚えが有る気がすんだよねー。
思い出そうとしても、何かに跳ね返される感覚で、どうも上手くいかないんだけど』
この言葉に隠された真実気付くのは、まだ当分先の話__
___
次はいよいよあの人がっ!!((
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匿名 - 濃ゆいって方言ですか? (2019年12月26日 23時) (レス) id: e1da86b5ff (このIDを非表示/違反報告)
麗優(プロフ) - ほんとですよね笑 無敵だけどいい迷惑ですね。はい、よろしくお願いします! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 114271c2f5 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 猫まんまさん» あ、そうなんですか(笑)教えていただいてありがとうございます! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 麗優さん» 何で職場なんですかね、、ほんとあれは無敵スキルですよね、、これからもよろしくお願いします! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 3a359f279c (このIDを非表示/違反報告)
猫まんま(プロフ) - 伊織さん» あっ。でも、そのグループ解散しちゃって…。 (2019年12月22日 22時) (レス) id: a02a4587d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊織 | 作成日時:2019年12月4日 22時