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百八話 己を何度恨んでも ページ8

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「作戦参謀の計算ではこの人形の頭部を裂くと、街のほぼ1/5の人間に詛いが発動する」


二人の血の気が引いた。

敦は自分がその異能の餌食になった時の記憶が生々しく頭を埋め尽くす。


周りの全てが敵にしか見えず、自分が守らなければいけないものを傷付けた。

それが、街中の人間を標的にしたらどうなるかなど、考えずとも分かる。



「駄目だ……やめろ!」


フィッツジェラルドは如何にも仕方ない、とばかりに両手を広げて首を横に振った。


「何も知らん現地民を犠牲にするのは俺も気が重い。だが」


一切の温かみを排除したフィッツジェラルドの瞳が、敦を捉える。



「『あれ』をこんな未開の小国に放置する訳にはいかん。力と責任ある我々が管理せねばな」



その声色が、それが計画を越え、決行することが確定した″予定″であることをしっかりと伝えていた。


そして彼女は、また己を恨む。

『__この異能が、他の人も守れたのなら』

どんなに良かっただろうか






「出せ!こんなこと許されると思ってるのか!」



敦は鉄格子が嵌められた頑丈な鉄の扉を殴った。


だが、反応を返す者は居ない。


ベッドが二つ置かれたきりのその部屋には、嵌め殺しの窓が一つ。



Aは窓越しに、横浜の街を見下ろした。

既に彼方此方から煙が上がり始めている。



『__ッ何か、策を___』



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舞。(プロフ) - 心さん» ありがとうございます〜!!!更新頑張ります! (2019年11月17日 22時) (レス) id: 42a689ad41 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年11月17日 21時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞。 | 作成日時:2019年11月12日 15時

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