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百三十三話 鬼は他者の裡にも鬼を見る ページ33

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笑みさえ浮かべて云う太宰に、森は不思議そうな顔をして見せた。





「君は自らの意志で辞めたのではなかったかね?」



「森さんは懼れたのでしょう?いつか私が首領の座を狙って貴方の喉笛を掻き切るのではと。嘗て貴方が先代にしたように」





血塗れた白衣。



地面に落ちる手術刀。



顔に赤い返り血を浴び、振り向いた男。





『君が証人だ。いいね?』





少年であった青年に、そう云った彼は空っぽの笑みを浮かべた。



太宰はにこりと笑う。






「鬼は他者の裡にも鬼を見る___私も貴方と組むなど反対です」





ゾッとするくらい冷たい声だった。
太宰の答えに森はやれやれと云って笑った。





「では失礼するよ」





「__彼女が居たら、どんなに良かったでしょうね」




ふと、思いついたように森は呟いた


その言葉に福沢は顔を顰める


「__もう彼女は居ない。二度と」



「ヨコハマの凡てを知り、ヨコハマでの生と死を司った彼女なら、どうしたんでしょうねぇ」



森が去る間際、Aを見遣ったのは自分が戦乙女だったことを再確認させるような気がして



『___私は、否、戦乙女はどんな人だったんだろう____』



不安げに、Aは呟いた



「Aちゃん」



ふとそう呼ばれ、振り向くと太宰が居た



「不本意だけれどもうひとつ君には仕事があるんだよね。___それじゃあ行こうか」


伸ばされたその手に、Aは疑問符を浮かべる


「__手、繋がないの?」


その姿が、彼女に見えてしまって



たどたどしい動きで、その手をとった



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舞。(プロフ) - 心さん» ありがとうございます〜!!!更新頑張ります! (2019年11月17日 22時) (レス) id: 42a689ad41 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年11月17日 21時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞。 | 作成日時:2019年11月12日 15時

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