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百三十話 学者の名 ページ30

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「理由を云う。まず第一に____」



「T.シェリングを読まれた事は?」



「……何?」





福沢の言葉を遮るように森が云った。



そして少し手を見開いた福沢に、矢継ぎ早に言葉を続ける。





「J.ナッシュにH.キッシンジャーは?」



『(__どれも学者の名前__)』



「孰れも戦争戦略論の研究家ですね」





福沢の左隣に控えていた太宰が云った。





「昔誰かさんに教え込まれた」




不本意そうにポソリと呟く。



福沢は彼に視線をやりながら云う。





「……孫子なら読むが」





森は後ろで手を組み、息を吐いた。



そして、まるで教壇に立つ教師のように話し始める。





「国家戦争と我々(マフィア)のような非合法組織の戦争には共通点があります。協定違反をしても罰する者が居ない。停戦の約束を突然マフィアが破ったら?探偵社が裏切ったら?損をするのは停戦協定を信じた方のみ。先に裏切った方が利益を得る状況下では限定的停戦は成立しない。あるとすれば完全な協調だが____」



「それも有り得はしない」







それに森は頷く。





「その通り。マフィアとは面子と恩讐の組織。部下には探偵社に面目を潰された者も多いからね」





薄い笑みを浮かべながら云う森の後ろには、かつて探偵社に奇襲を仕掛け返り討ちになった黒蜥蜴が硬い表情で控えていた。



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舞。(プロフ) - 心さん» ありがとうございます〜!!!更新頑張ります! (2019年11月17日 22時) (レス) id: 42a689ad41 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年11月17日 21時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞。 | 作成日時:2019年11月12日 15時

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