キミと出会えた奇跡を。【川村壱馬】

名前を ページ5

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俺は昼になると事務所の休憩部屋を飛び出して
佐々木さんのいるお店に行くのが日課となった
暇さえあれば、お昼になったらと行くようにしていた





もう５回目や。さすがに通いすぎか？
毎回行くといつものですか？と聞かれる




いつもの ”マシュマロ・ココア”



これはあの人と出会えた奇跡のココア
しかも佐々木さんを見ながら飲むココアは最高。



あれ？俺ちょっとやばいやつになってる？




今日もいつものやつを頼んで本を読む




少し経つと”お待たせしました〜”という
可愛い声が聞こえた







『お待たせしました。マシュマロ・ココアでございます〜』



「ありがとうございます。」



『最近よく来てくれますよね？』



あ、覚えてくれてるんかな、



「あ、はい。ここ居心地いいので」



まぁ、合ってるけど、それが理由じゃない



『お客様に満足していただけて良かったです。』








…






「あの、、名前、教えて貰えますか。」


いきなり言ったからびっくりしてる



『え！？…はい！佐々木と言います。』



「あー、苗字じゃなくて」



『へ？』



「あ、嫌ならいいんです。」



『嫌ではないですけど笑Aと言います。』



「Aさん…」



恥ずかしそうに照れながら言う姿がまた可愛い
すごくこの人に合ってるいい名前




「素敵な名前ですね。」



『え？あ、ありがとうございます！』



「僕は川村壱馬と言います。」



『川村さん…。』



俺の名前を聞いても、普通の反応…
あ、やっぱり知らないんだ。
それはそれで一人の男として見てもらえる




「あの、もうひとつお願い聞いて貰えますか？」



『はい。なんでしょう？』



「…連絡先教えてもらえますか。」



多分断られる気がする。いきなり過ぎるし
でも、この時くらいしか聞けないと思うから






『いいですよ。笑』




OKしてくれた。
まじか、やべ…嬉しい

連絡先→←笑顔

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