○ ページ34
Harin Side
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『おはよう、A。』
『私は貴方の親友のチェ・ハリンです。よろしくね。』
「ハリン、さん、」
『.......今日はクリスマスイブだよ、A。』
「くり、す、ます、？」
『今日は天気もいいし、散歩に行こっか、』
私が手を差し出せば、
ゆっくりと私の手を握り立ち上がるA。
.
『 暖かいね、A。』
「.......」
見慣れたはずの道を、
きょろきょろしながら歩くA。
アルツハイマー型認知症と診断されて1年、
彼女の生活は誰かがいないと成り立たないものになった。
5段階だった症状も、
最近では6段階だと診断された。
最終段階、高度アルツハイマー型認知症だと診断されるのはもう遅くないだろうとつい先日Aの母親が涙ながらに私に告げた。
.
『A、？』
大きなクリスマスツリーがあるお店の前で立ち止まるA。
いつも不思議だった、
この店の前を通るたびに大きなクリスマスツリーを愛おしそうに見つめるAが。
そのクリスマスツリーがAにとって大切な思い出だと知ったのはつい最近。
『.........綺麗だね、A。』
「うん、き、れい。なつか、しい、な。」
『え、？』
「どん、ひょく、くん？」
『Aっ、』
久しぶりに聞いた彼の名前に、
思わず心が飛び跳ねる。
『っ、A、ドンヒョクくんのこと、覚えてる？』
「........」
私の言葉に悲しそうに笑うA。
「ドンヒョク、くん、泣いて、ないか、な、」
「いま、ちゃん、と笑ってる、かな、」
言葉を紡ぐAに私は何も言えない。
こうやって突然昔の出来事を思い出したりすることがある。
今日が初めてじゃない、もう何度もある。
思い出すたびにAは同じ言葉を私に尋ねる。
そのたびに私は何も言えずに立ち竦む。
でも今日は、違った。
.
「っ、A！」
「.........どう、して、」
声が聞こえ後ろを振り向けばそこには息を切らした人がAを見ていて。
「どん、ひょ、く、っ、くん、！」
Aは彼の胸に飛び込んだ。
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李華(プロフ) - この作品を読むのは2回目だけどまた号泣しました😭かのお話が大好きです！ (12月27日 23時) (
レス) @page39 id: bf1bf25a73 (このIDを非表示/違反報告)
ﾕﾉﾀﾛ(プロフ) - リュイさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて、涙を流してもらえる作品になって本当によかったです🥲🥲あと少しですが最後までよろしくお願いします！ (2021年12月22日 4時) (レス) id: b9c18f97b5 (このIDを非表示/違反報告)
リュイ - 泣きそうです…と言うか泣きました。本当に、ありがとうございます。大好きです。 (2021年12月15日 17時) (レス) @page33 id: 2183f1b6e8 (このIDを非表示/違反報告)
ﾕﾉﾀﾛ(プロフ) - ごんちゃんさん» コメントありがとうございます！感動していただける作品になっているのであればすごく嬉しいです🥲🥲これからもよろしくお願いします😣 (2021年12月13日 3時) (レス) id: b9c18f97b5 (このIDを非表示/違反報告)
ﾕﾉﾀﾛ(プロフ) - うぇるさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです、、ありがとうございます🥺病気について詳しくないので不自然な点があるとは思いますがこれからもよろしくお願いします🥲 (2021年12月13日 3時) (レス) id: b9c18f97b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾕﾉﾀﾛ | 作成日時：2021年12月1日 15時
