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知るはずがない ページ11

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「あ、おはよう。」


「おはようございます。」






ベランダ越しに先輩と話してから
何故か同じタイミングで部屋を出たりと、

突然、顔を合わせる機会が増えた。

まるで誰かが私達の運命を操っているんじゃないかと思ってしまうくらい、

今まで全然、部屋が隣でも会うこと無かったのに、

本当に突然、先輩とばったり会うことが増えたんだ。









「昨日も、Aちゃんの事学校で見かけたで」


「え、そうなんですか?」


「うん、何かずっとボーってしてた。
教授の話 全然聞いとらんかったやろ?」


「·····確かに昨日は、ボーッとしてたかもです。」








朝、同じタイミングで部屋を出た私と先輩は
お互いに少し驚きながらも、

自然に話しながら

肩を並べて大学へと向かっていた。




もちろん、あのベランダでの話は
お互いに触れようとはしない

先輩はお酒も飲んでたし、
はっきりと覚えているのかはわからないけど

私はもうあんなに
悲しそうに笑う先輩を見たくなかった。








「寝不足なん?」






電車で大きく欠伸をしてしまった私を見て、
先輩は笑いながら聞いてきた。






「最近、夜遅くまでバイトしてて·····」


「え?そうなん?·····夜遅くまでって危ないやん」


「深夜のバイトの子が今体調壊してて
代わりに私が時間伸ばして働いてるんです」


「そうやったん、大変やな·····
Aちゃんって隣に住んでても全然物音せぇへんから、ほんまに住んでるんか分からんくなるねんな」


「そうですか?でも、先輩の部屋からも
物音しないですよ?」


「マジ?シャワーの音とか聞こえたりしやん?」


「しないですよ。笑」




笑って答えたら、先輩も同じように笑ってて
なんだか心が温かくなった。



そして、大学の最寄りで友達と合流した先輩と
別れた後も、


暫く私の心はふわふわしてたんだ。



先輩の笑顔を見れたのが嬉しくて、

ただそれだけで

今日も1日頑張ろうってそう思えたんだ。




だけどまたこの時は自覚してなかった。

こんなに笑顔を見れただけで嬉しくなるのは

先輩の事をもう既に 好きになってしまっているという事を。




そしてその気持ちは、膨らむほど

自分を苦しめていくということを、

この時の私はもちろん、知るはずなかったんだ。

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作者名:レイラ | 作成日時:2019年11月11日 18時

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