素直になって.💚 ページ22
和「お疲れっした！お疲れお疲れ〜みんなまた明日なぁ」
日付が変わってやっと家に帰れた。今日はドラマの撮影に音楽番組と、なかなか忙しい1日やった。鞄から家の鍵を探しながら部屋の前まで行くと、見慣れた愛しい人の姿。
和「A…？へ？何で？」
俺の部屋の前でしゃがみ込んでる俺の彼女。鍵探すのも忘れて駆け寄ったら、Aはゆっくり立ち上がって「ごめん、おーはしくん」と言った。
夜やのにサングラスをかけて深く帽子を被って、きっとそれは全部俺の為で。変装しとる姿を見てもすぐにAって分かる。急いで鍵を出して押し込むようにAを部屋の中に入れる。
和「いつからおったん？」
「んー、、さっき。」
和「さっき？ほんま？なぁ、大阪から来たんよな？どしたん？なんかあったん？」
質問攻めする俺に、Aは勢いよく抱きついてきた。
デビューして大阪から上京したから、かれこれ一年くらい遠距離で。忙しくてなかなか会えへん状況が続いてた。
見慣れてるって言うのは、テレビ通話で話してるからで、最後に会ったのは春頃やった。
「ごめん、会いたくて来てもうた」
勿論Aがここに来るのは初めてで、住所だけを頼りに右も左も分からん東京の街を、俺に会う為だけに来てくれたん…？度がつくほど、方向音痴のAが。
和「なんやそれ」
「怒ってる？…やっぱ急に来たら迷惑やったやんな…ごめん、」
俺に会ってからもう三回も“ごめん”て言うAの声は、いつもの元気で明るい声とは真逆の、少し震えた声やった。
和「怒るわけないやん。会いに来てくれてめちゃくちゃ嬉しいで…？」
離れようとするAの身体を、もっかい引き寄せて力一杯抱きしめた。
和「あかんな、あかんよ」
「おーはしくん？」
和「こんな可愛い事されたら帰せんくなるわ、」
そう言うとAは俺の背中にギュッと腕を回して泣き出した。東京に行くって決まった時も、遠距離の話をした時も、引っ越しの時も、Aは笑って応援してくれたのに。泣かずに、「おーはしくんを一番に応援しとる」って。
「ドラマ決まったんよな。おめでとう！」
頑張って明るく言おうとするAの涙を拭って、キスした。恋愛ドラマやから、そっか。なあ、そやろ？
和「俺、Aしか好きにならんから。Aにしかこういうことしたいと思わんから。」
つづく
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 453人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうゆ(プロフ) - endores hinataさん» 色々読んで頂いてるんですね🥺嬉しすぎます！そう！まさにメンズ校をイメージして大ちゃんのキャラ作ってました笑 見た感じあの時の大ちゃん想像してもらうの大正解です笑 (2022年8月19日 15時) (
レス) id: adb2dda066 (このIDを非表示/違反報告)
endores hinata(プロフ) - ゆうゆさん» 読んでます！めっちゃ面白いです！メンズ校っぽいだいちゃんも良いですｗ (2022年8月18日 22時) (レス) id: f5304c49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ(プロフ) - endores hinataさん» 一応、長尾くんメインで“なにわプロデュース大作戦”というお話を書いてます！長尾くんの長編希望のコメント頂いて書いてます💛 (2022年8月18日 20時) (レス) id: adb2dda066 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ(プロフ) - ナムルさん» コメントありがとうございます😊続き書きますね💛 (2022年8月18日 20時) (レス) id: adb2dda066 (このIDを非表示/違反報告)
endores hinata(プロフ) - ゆうゆさん» 全然です！阻止せよも面白いです！ (2022年8月18日 18時) (レス) id: f5304c49f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうゆ
| 作成日時：2022年3月6日 2時
