『ありがとう』 ページ2
ある日のいつか
『███』が突然言い出した
真夏のお昼休み
幽霊屋敷、行かない…?
食べかけのパンを落とした。
へっ?ゆ、幽霊屋敷?
なんで?
なんでって、夏だからだよ!
夏らしいこと全然して無いでしょ!?
ほら、近所に幽霊屋敷あるじゃん
行こうよ!
無理無理無理無理!
やだやだやだやだ…!
断固拒否する
だって幽霊だから、おばけだから
別に信じてはいない
けど触らぬ神に祟りなしだ
絶対に行かない方がいい…
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夜10時学園の寮を███と抜けた
はぁ…結局学園で丸め込まれちゃったなぁ…
可愛い私服を着て███が外に出てくる
ごめん!待たせちゃったかな…
全然隙が無くて…!
隙と言う言葉に笑ってしまった。
ううん、大丈夫笑
じゃ行こっか
なんだかデートみたいね!
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
そうやって話しながら10分程歩いていたら
いかにも幽霊が出そうな屋敷を見つけた
███は嬉しそうに
アレだよアレ!
早く入ろ!
走っていく君をただ見つめていた
その後すぐに走っていったけど
見つからない
どうしよう見つからない
ねぇ!どこに居るの?!
もう帰るよ?!
すすだらのテーブル
開いたドアの向こう側の闇
穴が空いて壊れそうな階段
所々絨毯が破けてギシギシ言う床
真っ暗な天井からホコリのまう空間
その時だった
ガサガサ…ッ
ひっ…え、███?そうなの?
返事して!もう帰ろうよ!
時間大丈夫なの!?
怖さはMAX
今にも泣きそう
家に帰りたい
けど███を置いていけない
と、考えていた矢先の事…
ばぁ!!!!
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!
泣いた、大泣きした
あの子の前で
███は焦って
大丈夫!?え、ごめんね!!!
こんなに怖がるなんて思わなかったの
い、いや大丈夫大丈夫…立てるか…ら?
立てない、腰が抜けたのだ
また恥を晒してしまった
ごめん、ちょっと立てない…
謝らないで…私のせいだから
手持って、おんぶするから
家まで送るよ!
そう言って軽々と持ち上げた
やっぱりこの子力強い
ほんのり暖かくて、花の香りのする髪
安心できた
ありがとう
え?大丈夫だよ!私が連れてきたし
これがちゃんとあの子にありがとうと言えた日だった
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作者名:月詠 夜永 | 作成日時:2019年11月17日 14時