３９やよ ページ40
・
《俺は死なへんから、大丈夫やで。やから、待っといて》
「…わかった」
と言い、マイクをミュートにする。そして別の通信機でゾムを呼ぶ。
「ゾム、和山行くぞ」
〈…？どしたん？何かあったん？〉
「Aが危ない」
〈…！了解、今行くわ〉
先程の“わかった”は所謂生返事だ。ミュート状態だから、Aには伝わっていない筈。
俺も参戦する為に、何時も使う小型ナイフとグロックを持った。その時、聞こえてしまった。
《…で、なんで俺を殺したいん？》
〈私の息子に似ているから。ただ、それだけよ〉
「…俺がそんなに嫌いかよ。ええよ、俺が殺したるわ」
多分俺は今、嫌な顔で笑っているだろう。自分でも感じるほどだ。
少し時間が経つと、ゾムがダクトから降りてきた。
「OKやで。Aとは繋がっとる状態なん？」
「せや。一応ミュートにしてある」
「そか…ほな、行こか」
「…おん」
ロボロにはゾムが伝えてくれたらしい。俺らは門の兵士に、山に行く事を伝えて通してもらい、目立たないように馬車には乗らず徒歩で向かう。徒歩っつっても木の上ぴょんぴょん飛び移っていくだけやけど。
ゾムにAの家を案内してもらい、家の中からは何やら男女が揉めているような声が聞こえてくる。それと一緒に、金属がぶつかり合う音も同時に聞こえる。
インカムから聞こえるAの声も、何処か苦しそうだ。早くAを助けなければ…！！！
「ゾム」
「分かっとるて」
「…行くで」
「…うし」
ゾムと軽く言葉を交わした後、俺は窓を割ってAの家に流れ込んだ。ゾムは屋根の上で待機。
入ると、数ヶ所刺されて苦しそうなAと、ガタイのいい男3人と、あのバケモノが居た。
「ふっあらあら、ヒーロー登場とやらかしら？ていうか、まだ生きていたのね。とても目障り」
バケモノのその言葉に腹が立ち、思わず大声を上げる。
「ッなんで、なんでAにも手を出すんや！俺だけで充分やろ！？」
「…確かにお前が死んでいない事も知っていた。だがな、2人揃って目障りなんだよ、俺らの国にとっては」
ガタイのいい男の内1人が口を開けた。
どうやらこの3人は、バケモノが呼んだβ国の奴ららしい。ガタイがいいだけあって強そうだ。
反論しようとしたのだが、その瞬間俺に攻撃してきた。
どうにかして攻撃を避け、Aの元に行き、抱き抱える。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 665人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずがみ。2(プロフ) - ぜにがみさん» 有難うございます〜！！ (2019年8月6日 19時) (
レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがみ - 完結おめでとうございます〜。これからもみずがみ。さんを応援させていただきます〜。これからも頑張って下さい！！！ (2019年8月6日 13時) (レス) id: 417a32e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - しほさん» 有難うございます！！ (2019年8月5日 22時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - 完結おめでとう御座います〜！密かに応援させて頂いてました。とても魅力的なお話、いつも有難う御座います。これからも楽しみにしています！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: 0d336d7836 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - ゆきなさん» 有難う御座います！ (2019年7月31日 7時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
