38やで ページ39
・
…筈だったのだが。
「ふふ、私がそんな簡単に死ぬと思ったの?愚か者ね」
『…お前こそ、卑怯やろが』
バケモノの前にガタイのいい男が現れ、俺の振ったナイフを難なく受け止めたのだ。恐らく、我々国に送ろうとしていたβ国のスパイだろう。
その男にナイフを弾き飛ばされ、体制を崩してしまった。
するとまた後ろからガタイのいい、でもナイフを受け止めた男より少し大柄の男が、俺の体を掴もうとしてきた。
まぁ避けたんやけど。
『お前どっから入ってきてんねん!!』
見ると、窓が割れていた。ガラスは男の身体を傷つけていたが、男は何ともないと言わんばかりの顔をしている。
マジでバケモンやわ…
避けきれたと思ったが、体制を崩したその一瞬の隙の間に、またまた違う男が大柄のナイフを持ってこちらに向かってきた。
これじゃ避ける事だけしかできない。
「私を殺したいなら、まずその3人を倒してからね。まぁ、無理でしょうけど」
あはは、と甲高い声で笑ってくるバケモノ。五月蝿いしか出てこない。
唇を噛みながら攻撃を避けていく。生憎俺はコネシマみたいに軍学校に通っていなかったし、体力は平均よりはあるがそこまで素早く活発に動けるわけでもない。
こちらから攻撃を仕掛けようともしてみたが簡単に避けられるし、防御に切り替えようとした隙に攻撃を仕掛けてくるので、逃げ続ける事しかできない。
「あら、逃げる事しかできないの?」
『うる、せぇ!』
あんのバケモノ、お前なんもしてへんのに話しかけてくんなや!集中切れる!!
すると、途端に右の脇腹に痛みが走った。
『ゔ、ぁ…………』
「あ、当たった」
痛い。
痛い、けど、コネシマに危害は加えたくない。
俺はインカムに一度触れ、痛みを抑えながら立ち上がる。
立ち上がった瞬間、また別の男が襲ってくる。次は左腕を軽く。
痛みに耐えていると、また攻撃が。次は右脚に。
軽く、
軽く刺されただけなのに、立てなくなってしまった。俺はその場に倒れこむ。
…あーあ、もっと鍛えとくべきやったなぁ。
コネシマ、ごめんな。
死を覚悟して待っていると、また窓が割れた音がする。
「…ふっあらあら、ヒーロー登場とやらかしら?ていうか、まだ生きていたのね。とても目障り」
そう、バケモノが向いた方向を見てみると、
顔を顰めたコネシマが、俺の正義のヒーローが立っていた。
・
668人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずがみ。2(プロフ) - ぜにがみさん» 有難うございます〜!! (2019年8月6日 19時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがみ - 完結おめでとうございます〜。これからもみずがみ。さんを応援させていただきます〜。これからも頑張って下さい!!! (2019年8月6日 13時) (レス) id: 417a32e7b4 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - しほさん» 有難うございます!! (2019年8月5日 22時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
しほ(プロフ) - 完結おめでとう御座います〜!密かに応援させて頂いてました。とても魅力的なお話、いつも有難う御座います。これからも楽しみにしています! (2019年8月5日 21時) (レス) id: 0d336d7836 (このIDを非表示/違反報告)
みずがみ。2(プロフ) - ゆきなさん» 有難う御座います! (2019年7月31日 7時) (レス) id: 679c2618a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ