同居開始 ページ6
「酷い…酷いよA君……」
「な、泣くなよ、お前悪魔なんだろ…？」
「外寒いよ…」
「ご、ごめんって」
僅か数分で買い物を済ませ戻ってきた変質者にチェーンロックのせいで中に入れず玄関の前でメソメソされたので、流石に可哀想だと中に入れた。
本当悪魔感ゼロだなコイツ。
「A君が同居に頷いてくれるまで、A君の名前を泣き叫びながら街中を走り回るよ」
前言撤回。
「お前悪魔だな」
脅しに加えナポリタンがとても美味しかったので、同居は開始された。
【翌朝】
うるさく鳴り響く目覚まし時計のアラーム音で目を覚ました。
しかし、もとからあまり朝に強くない俺にとっては、朝ならではの心地良さだとかわからない。
小鳥の鳴き声なんて正直アラーム音となんら変わらない雑音みたいなもんだし、朝の太陽光だって眩しいだけだ。
それに、なにか嫌な夢を見たような気がしていつも以上に寝起きが悪い。
「……やっぱ朝嫌いだ…」
今日もいつも通りアラームに叩き起こされて、面白味のかけらもないが、至って平和な日常を送ることになるのだ。
「やあ、おはようA君」
「………は？」
憂鬱な朝には似つかわしくない、明るく爽やかな声が耳に飛び込んできた。
不思議に思い声のする方へ振り返ってみる。
「は？なにこのすっごいイケメン」
「あ、ありがとう？」
誰だこのイケメン。何でうちに居るんだ。
「……もしかして寝ぼけてるの？ほら思い出して。昨日君から同居の許可を貰った、悪魔のセーレだよ」
イケメンは俺の顔を何がそんなに面白いのか、楽しそうに覗き込んでくる。
……んん？悪魔？今悪魔って言ったかこのイケメン。ていうか同居って？
昨日？昨日は確か楽しみにしてたプリンを食べようと急いで家に帰って、そんでそのプリンがめちゃくちゃ美味しくて…
あ、そういえば、鞄の中に黒猫が紛れ込んでてて…
「………あ」
いつもは眠気が覚めるのに30分以上かかるのだが、一瞬で吹っ飛んだ。ものすごい勢いで。
俺は枕元に置いてある携帯に手を伸ばし、電話を掛けた。
相手？そんなん学校の友達に決まってんだろ。
数回のコールの後、電話にでる音がした。
『どうしたんだよこんな朝早くから』
「あ、我が心の友よ。俺のお願い聞いてくれる？」
『は？』
「夢だよって言え。いいな？せーの」
プツン、と通話の切れる音がした。
現実は非情である。
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ハルキ - いくら中性的で女に間違われるからって...男の娘とは言わないと思います...(男の娘地雷ッス←関係ない) (2021年10月11日 21時) (
レス) @page22 id: 8862a535cf (このIDを非表示/違反報告)
アリア - なんで儂好評価してないんだろ。バカか (2019年7月12日 17時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
Ratte*らて(プロフ) - 面白いです…！！！100個目の評価は頂きました←。更新頑張って下さいね！陰ながら応援しております。 (2019年3月19日 15時) (レス) id: 9c512a775a (このIDを非表示/違反報告)
アーテル(プロフ) - らいさん» 返信遅れて申し訳ありません。コメントありがとうございます。時間を見つけて書き進めていく所存ですので、今後ともご愛読の程宜しくお願いします。 (2019年3月18日 15時) (レス) id: 5f656bed23 (このIDを非表示/違反報告)
らい - 続きが気になります。
続き楽しみにしています。 (2019年2月23日 16時) (携帯から) (レス) id: 2b97e5f6a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アーテル | 作成日時：2019年1月3日 14時
