Save３ ページ4
「なぁ、それ飲まないわけ？飲まないなら俺にくれよ」
私は相手の目を見ることなく少し俯きながら会話をつなげる
貴「で、でも、このジュース多分毒とかが…」
「あぁ、俺なら大丈夫。毒じゃ死なないから」
貴「…そう。それならどうぞ」
少年の「毒じゃ死なない」という言葉に少し興味を持ったが少しばかり人見知りの私は、少年の顔をしっかり見ることも、名前を聞くこともできなかった
「あーうまい！それにしても、あんたも気づいたんだね。これに毒盛られてること」
たまたま感づいただけだよ
そう言おうとした時、少年は言葉を残して別の場所に移動しようとしていた
「すげぇじゃん。たまに騙されて飲むやつがいるんだよなこういうの。んじゃ、俺はそろそろ行くよ。」
そう言い残して少年はスケボーに乗ってどこかへ移動していった
『すげぇじゃん』
何の変哲も無いただの言葉
しかしAにとってそれは、とても嬉しい言葉だった
貴「褒められたのなんて…何年ぶりだろう…」
スケボーの音が自分から遠ざかったのを確認して私は顔を上げた
貴「はぁ…人見知りなこの性格、少しずつ直さなくちゃ」
そう思っていたところ、試験開始のベルが鳴った
サトツ「では、これよりハンター試験を開始いたします。私は一次試験担当のサトツと申します」
ちなみに私の番号は「３６０」
私の後に来た新人さん３人で今年のハンター試験受付は終了したようだった
サトツ「第一次試験、４０４名全員参加ですね。では、ついてきてください」
この一言を発するなり、サトツさんは涼しい顔で足幅を徐々に広げていった
貴「(このくらいならまだどうにかついて行けそうだな)」
＊ ＊ ＊
走り続けることおおそよ六時間
目の前の光景に参加者は目を疑った
「おいおい、まじかよ…」
「こりゃきついぜ」
目の前に広がる長い長い階段
どのくらいの距離があるのか検討もつかない
サトツ「さて、ちょっとペースをあげますよ」
普通に歩くような感じで二段飛ばしで階段を上っていくサトツさん
Aの後ろには多くの脱落者がいた
貴「あ、同い年ぐらいの子達だ…」
脱落者を横目にどんどん前へ進むA
距離はあるが、一番前に黒髪の子と白髪の子がいるのに気づいた
とても仲良さそうに話している
貴「いいなぁ…」
小さく呟いたAの言葉は大勢の男達の声に紛れてかき消された
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 643人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葉桜ノ咲 - シロォォォォォォォォォ!! (2016年9月25日 21時) (
レス) id: 8346ebd752 (このIDを非表示/違反報告)
キンプリloveアイカ！ - 面白いですね〜！ (2015年6月13日 21時) (レス) id: c5d62240b1 (このIDを非表示/違反報告)
アストル(プロフ) - 黒瀬優希さん» ですよね！もう、ずっと話してても飽きなさそうです！あ、了解しました！ (2014年11月2日 16時) (レス) id: debaada4f5 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬優希(プロフ) - アストルさん» わかります！占いツクールの友達がリア友だったらな〜って思うことがよくありますw(落ちます！ (2014年11月1日 23時) (レス) id: 4cf6869eaa (このIDを非表示/違反報告)
アストル(プロフ) - 黒瀬優希さん» 唯一話せる場所ですからね！笑 近くにここで出会ったような方の友達が居たらもっと楽しいだろうけどですねww (2014年11月1日 23時) (レス) id: debaada4f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
