77.「来た。」前半 ページ31
＜Aside＞
俺が言い終える。
３人は唖然としていた。
俺の記憶がない１年で魔物界最強に上り詰めたもう一人の俺がどこかで的をぶらついているのだと恐れていても仕方ない。
そんなことを考えていると…。
「…って……だった…の……。」
A「ん？」
ぼそぼそとしゃべるエメットに聞き返す。
エメット「お前ってもと人間だったの？！」
…。
いやいや…。
そういう話以前の問題だろ。
エメットの言葉に「お…おう…。」と答える。
まさか、そこに食らいつくと思っていなかった。
カノン「確かに、１年で魔界最強に上り詰めた赤のAが外にいるのって怖いけど…Aって人間だったんだね。」
ちょっと涙目で言うカノン…。
一体どこに感動するシーンがあったのだろうか。
…。
こいつら…少しおかしいのだろうか…。
頭が…。
ふつうはあんな奴が外でうろついていると知ったら慌てるもんだろうが…。
赤のA「昔の話…シテタんだ。」
此処にいる俺以外と同じ声の奴が言った。
周りを見渡すと、もう一人の俺が窓を開けて入っていた。
急なもう一人の俺の登場にみんなが固まった。
カノン「な…何でここに…。」
「町を見てきタ。変わったネ。人間ハ。」そう言いながらもう一人の俺は、俺のそばに近づく。
何を考えている…。
赤のA「決メたよ。この町は滅ぼさナイ。思ったヨリも良い人たチが多ソウだ。タダ…一部を除イてね。」
そういうと、空間を歪ませて何かを連れてきた。
その人物は歪んだ空間の中をフラフラと出てきた。
何か言っている気がする…。
そいつは…。
カノン「ミ…ミカさん？」
洞窟で一緒に行動したミカだった。
だが、目が見えないよう横に一直線に切られていた。
ミカ「その声…カノン……さん？」
ぼそぼそとしゃべっていたミカがカノンの声を聴いた途端声を荒げた。
普段と違う恐怖に塗りつぶされた声でカノンに…俺たちに助けを求めた。
ミカ「助けて！！もう痛いのは嫌なの！！！」
そういうミカを遮る影。
もう一人の俺だ。
赤のA「コイツさ。一回見たトキなんか知っテいる奴だと思ってたんだケドさ…。イマイチ思イ出せないでいたンだよ…。そしたら、俺ノ昔話を聞いて思イ出した。知ってテ当たり前だった。」
もう一人の俺はミカを指さしながら言う。
少し苦痛な顔をしながら、ミカをクレイたちの方に蹴飛ばした。
「コイツ…あの時イタ魔女だ。」
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ナルス(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます！！ (2018年2月4日 2時) (
レス) id: 0c168f8630 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - 続き楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！！ (2018年2月3日 2時) (レス) id: 0b9483743a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナルス | 作成日時：2018年1月22日 19時
