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74.「話がある。」 ページ28

<カノンside>

Aが倒れて、もう一人のAが森の中に消えていった。
その瞬間、張り詰めていた空気は解かれ、息が勢いよく肺から出てきた。
いつの間にか息を止めていたらしい。
Aは再度、倒れてしまった。
今日は各自解散となり、私たちはAを家に連れて帰るために、使い魔に手伝ってもらいAをわたしのへやのベッドに寝かせた。

カノン「ありがと。みんな。」

皆と言ってもエメットとクレイだけだが…ミカさんはいつの間にか姿を消していた。

エメット「ううん。いいよ、別に。」

エメットがそういうのと同時にAが起きた。
「うっ…此処……は?」そう言いながら起き上がろうとするので上体を支える。
「みんなが手伝ってくれたの。」私がそういうと、Aは「そうか…。すまなかった…。」と謝った。
エメットがぼそりと「素直なAって気持ち悪いな…。」といったがAは何も言い返さなかった。
それほど思い詰めているのだろうか。
Aは何かを決心したように…覚悟を決めたように言った。

A「あいつが俺の中から出てきてしまったから、もう仕方がない。頼みがある。あいつを止めるのを手伝ってくれ。」

深々と頭を下げるAに、クレイは頷きながら「いいよ。」と、言った。
エメットは「仕方ないから手伝ってやる。」ひねくれたように言ったが、表情からして真剣だった。
そんな言葉にAがほっとしたような顔をする。
そして、私の顔を見た。
…。

カノン「…?」

Aが何でこっちを見るのか分からず首をかしげると、クレイが言った。
「お姉ちゃんが協力してくれるか聞きたいんだよ。Aは。」その言葉を聞き慌てて口を開く。

カノン「え!?そうだったの!?い…いいよ!何もできないかもしれないけど…。」

私がそういうとAは少し微笑みながら「ありがとな。」といった。
「なぁ、聞きたいことがあるんだけど…。」急にそう言いだしたのはエメットだった。

エメット「あいつは何なの?」

A「あいつは俺だ。」

「昔俺が作った、人格だ。」Aは苦しそうに言った。
そういったAにクレイが言う。

クレイ「昔かぁ…。A。その人格が出てきた時の話、聞かせてよ。」

クレイが興味深そうに前に乗り出しながら言った。
その言葉に嫌がる素振りも見せず、Aは頷き、口を開いた

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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ナルス(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます!! (2018年2月4日 2時) (レス) id: 0c168f8630 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - 続き楽しみにしてます!これからも頑張って下さい!! (2018年2月3日 2時) (レス) id: 0b9483743a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナルス | 作成日時:2018年1月22日 19時

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