魔界最強の俺はどうやら人間界最低ランクの女の使い魔に選ばれたらしい。【男主】パート2！

71.｢人格が出てくるってありかよ」中半 ページ25

＜カノンside＞

急にAが倒れた。
前にいたエメットを巻き込みながら倒れこんだ。
慌てて、Aをエメットの上からのかす。

カノン「A！…なんでまた……。」

そんなことを言っているとAの腕から血が出てきた。
腕に怪我なんてしていただろうか。
慌てて、Aの腕を見ると、今切れたかのようにぱっくりと口を開いている傷口を見つけた。

カノン「いつ切ったんだろう…？」

エメット「とりあえず、直そうか。」

エメットがAの腕に手を置き呪文を言う。
しかし、傷具期はふさがっていくどころかだんだんと広がっているような気がする。

エメット「どういうことだ…？」

エメットが顔をしかめていった。
エメットの言葉に私は「わからない…。」と首を振り、Aを見る。
一体、Aに何が起こっているのだろうか。

ミカ「なにこれ。」

ミカさんが言った。
ミカさんの方を見ると、Aから流れ出てきた血液がスライムのように動いている。
それはだんだんとAに似ているような気がしていたと思ったら、クレイと仲直りした時に会ったもう一人のAだった。

カノン「なんで？」

そういうともう一人のAが言った。
「ヤット…やっと出てコラレた。」

A「うッ……。」

赤のAに反応したようにAが起き上がった。
未だに流れ続ける腕を抑えた立ち上がろうとする。

カノン「A…一体どうなっているの？」

Aを支えながら聞くが、Aは答えてくれない。
一体どうなっているのだろう…？
人格が出てくるなんて…。
普通じゃ考えられない。
そう思っている中、赤のAがミカさんの使い魔の前まで動いた。

赤のA「へぇ。こいつはスゴイな。」

ミカさんは驚いたのか肩を少し動かした。
凄いとはどういうことなのだろうか。

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