Green Bird Ⅱ (ページ2)

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「 A、薬、ちゃんと持った？」

「うん、持ったよ」

あれから1年が経った。

あれ以来、異常もなく、入院していないA。

今日は、散歩をしながら舘様のカフェに向かう。

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「いらっしゃい、A、ラウール。」

「舘様！久しぶり！」

「こんにちは、舘様。」

僕とAが付き合っていることも既にみんなは知っている。

「はい、ブラックコーヒー2つね」

ここのコーヒーのおかげで、いつしかブラックが飲めるようになった。

「で、今日は聞きたいことがあるんでしょ？」

そうだった、僕が聞きたいこと。怖くて聞けなかったこと。

「 …Aは、前までの昼間は、何をしてたの？」

学校に行ってなかったA。

でも、毎朝僕と同じ時間に起きて、終わる時間もほとんど同じ。

彼女が一体、何をしていたのか、知りたかった。

「 …働いてたの。」

ああ、やっぱり。それが素直な感想だった。

Aには家族がいないと言っていた。そのため、重い病気の治療費を工面してくれる人は、自分以外に誰もいなかった。

でも、倒れてからは仕事を辞めて、治療費は貯金から出したり、ふっかさんや周りの人達が助けてくれるようになった。

今は、家で出来るような、軽い仕事をしているらしい。

「そっか、話してくれてありがとう」

僕には、何が出来るんだろう。

そう思ってから動くのに、時間はそうかからなかった。

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