Third (ページ4)

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バイト帰り、土砂降りの雨が降った。

運が悪く、傘も持ってない。

仕方ない、と腹を括って家へと走ろうと深呼吸した。

バシャバシャとローファーが地面の水を弾き、

徐々に濡れていく制服。

思った以上の土砂降りで前は見えないし、

走っても一向に家は近づかない。

……寒い。

体力もない私は、一度大きい倉庫のような所の屋根の下で雨宿りをすることにした。

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屋根に打ちつける雨の音がさらに増す。

疲れた、と私は暫くしゃがみこんで息を整える。

一度目を瞑ると、聞こえてきたのはギターの音。

それと、透き通るような声。

雨の音なんかよりも、強く耳に入ってきた。

閉められた扉から、少し光が漏れているのを見つけると、

自然と中に誰がいるのか気になった。

覗きなんて趣味じゃないけど、ドアの隙間から少し覗いてみる。

少し奥の方で、ギターを弾いている手が見える。

どんな人なのかは死角で見えなかった。

諦めて、そろそろ家まで走り出そうと思い、

地面に手を着いて立ち上がろうとした。

ガン！と扉に私の鞄を打ち付けた時にはもう遅くて、

やってしまった、と直感的にそう感じた。

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