13 ページ14
.
「 まじでちゃんと掴まっててね 」
そういうと、大我はあの時と同じように私の腕を自分の腰の所に引っ張った。
「 大我！あと3分！ 」
私が腕時計を確認して大我に言うと、大我は「やばい」と小さく声を漏らした。
.
結局、学校に着いた時にはもう、朝礼が終わっていた。
しかし、どうやって教室に入ろうか。
「 大我？ 」
小さい声で名前を呼んだけど、大我の姿はそこにはなかった。
.
先生が教えてくれた。
木岡くんは逃げるように学校を辞めた、と。
さらに、クラスメイトの子が話していた。
自ら警察へ行き、ストーカーの件を素直に認めた、と。
彼の顔は誰かに殴られたような痣があったそうだ。
木岡くんがいなくなったことに安堵すると共に、少し不思議な気持ちだった。
彼はもうここにいない、そう信じるしかなかった。
.
「 A 」
大我は何事も無かったかのように教室に入ってくる。
古典の授業中、私の名前を呼んで、彼は私の隣に座った。
クラスメイトの視線が大我と私に向いているのは間違いない。
「 教科書、みせて 」
変なかんじ。
大我が、隣にいる。
隣にいて、机をつけて、同じ授業を受けている。
「 誰？ 」
「 あれが京本くん？ 」
「 なんでAさんのこと名前で？ 」
クラスメイトがそう話しているのが聞こえる。
金髪に制服、更には初登校。
周りの人が驚くのも無理はない。
私は、浮かれないように、久しぶりの授業を聞いていた。
左を見ると机に項垂れながら私の教科書に落書きをしている大我。
なんだか変な気持ちだ。
「 こら、前向け 」
と、上目遣い状態でそう言う大我。
人に言える？という気持ちを込めてデコピンをしたら、
おでこを抑えてそのまま寝ていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：a.
| 作成日時：2020年10月17日 22時
