【リレー小説】スカイハイ転生学園！～イースター編～ (ページ44)

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未完成な歌【テトラ】ページ44

―ふう、さっきは大変な目にあった。
ドラゴンを蹴散らし、再び小さくなって額の汗を拭った頃には、２-３の教室に戻っていた。
私はたいしてやることもないので、戦闘のおかげさまで埃が付着してしまった文庫本を広げることにした。
そうしているころに、イースターイベントの終末がじりじりと迫ってきていた。
ほとんどの生徒は結果を聞くために校庭に出て行った。
そのため、私がいる校舎は閑散として静かだった。
窓の方を見ると、ベランダの柵にすずめが着地し、啼く。
しかし、そのさえずりは校庭に集まっている生徒たちの、「百個集まったかな？」的な、期待の声で瞬時にかき消されていった。
せっかくのさえずりが無に帰り、すずめは『やってらんねーよ』とでもいいたげにばさり、とその小さな翼をはためかせた。
数秒前まで足で握っていたところを蹴り、大空へと飛び立っていった。
すずめは飛び立った。
はためいた時のはずみで零れ落ちた羽根を一つ、ベランダに残して。
独り置いていかれた羽根が、いつも教室で存在空気で蚊帳の外の私と似ているようだった。
そう思って、なんだか表現しがたい感情になる。
気づけば本はそっちのけで、完全に外に意識と目線が行っていた。
このまま本を読んでいてもどうせ頭には入らないだろう、ならただの時間の無駄だ。
私は本をパタリと閉じると、無造作に机の中に放り込み、机に突っ伏した。
目を閉じ、校庭から聞こえてくる声に耳を澄ませる。
身体の神経が全身から耳へと徐々に集まっていき、やがてその声しか聞こえなくなってきていた。
春風が声を運んでくる。
その声は最初の挨拶同様、それは拡声器に通した支倉先生のようだ。
支倉先生も大変だな。
　『イースター………結果は！』