一触即発の海上中継【ハチ】 ページ28
2-3の教室を出た私。がらりと引き戸を静かに閉めた。
次、どこ行こうかな。でも、どこにタマゴがあるか判んないし。
そう思い、適当に勘が示す方へとふらふら歩いていく。
私は数歩くらい歩いてから、2-2の教室の前で足をぴたりと止めた。
なんだろう、ここに行った方がいい気がする。
私は朦朧とする頭が命じたように「失礼します」と一礼してから教室内に入った。
中に入ると、担任の土御門先生と、彼女の式神が立っていた。
先生は私に気付いたようで、「ハチさん、いらっしゃいませ!」と声をかけた。
「あ、どうも」
私はお店屋さんのような対応をする彼女にどっちつかずな返事をした。
「タマゴをお探しでしょうか?」
「はい、イースターですから!」
先生は私の返答に「ふふふ」と意味ありげに微笑んでから、皺ひとつない狩衣の中から綺麗な水色のタマゴを取り出した。
あ!タマゴ!
私が思わず手を伸ばそうとすると、「いたっ」誰かにぶつかった。
誰だろ?と思ってぶつけた額をさすりながら顔をあげた。
前に立っていたのは、一緒にいた式神さん。どうやら私は式神さんにぶつかったらしかった。
「すみません!」
「いやいや、大丈夫さぁ」
というか、この式神さん、女神さんなんだね。
にこにこと優しい笑みを浮かべている女神さん。
おおっと、話が逸れてたや。とにかく土御門先生から、タマゴを頂かないと!
そう思い、もう一度先生のもとへ走り出した。
しかし、そんな私を見て先生が言った。
「このタマゴ、欲しかったらこの天后と勝負してみてください」
勝ったら、これはあなたのものです!といって先生が再び狩衣の中にタマゴをしまった。
先生の挑戦的な口調に、ちょっと心の波が立ってきた。
「あら、別に無理に戦わなくてもいいんですよ〜」
挑戦的な言い方かどうかは判らない。でも!
なにより、心の海が大しけだよ!私は燃えるような目で先生を見た。
先生が、「あ、やる気が出てきましたね」と軽く流す。
私は腹の下に力を入れ、言い切った。
「はい、もちろん!」
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ユリイ(プロフ) - パスワードは前回同様です! (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新しました。お話がいっぱいになりましたので、続編へ移行します。 (2020年5月12日 16時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
ユリイ(プロフ) - 更新します! (2020年5月12日 15時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新しました (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)
露留(プロフ) - 更新します (2020年5月9日 20時) (レス) id: 412cf2cbe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スカイハイ転生学園一同 x他3人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakyomatsu1/
作成日時:2020年4月28日 20時