【リレー小説】スカイハイ転生学園！～イースター編～ (ページ26)

今日:29 hit、昨日:1 hit、合計:8,437 hit

百人力の友人（プルメリア、夜霞樹）ページ26

｢こら、こういうのは男子に助けさせないとカッコつかないだろ｣

今にも青春が始まるといったワンシーンを煙で言葉の通り断ち切った友人の隣に歯の音をたて降りる。こういう恋愛があってこそ学園生活というものがより楽しくなると言うのに。

｢やっぱり樹はそこに居たのか｣

そんなオレの困り顔等見向きもせぬようにプルメリアはパイプ再びポケットに片付ける。後ろの男女は急に降りてきたオレに驚き、金魚のように開閉を繰り返していた。悪いな。こういう生き方してるもんで。

｢校庭はオレの庭みたいなものだからな。｣

オレは木の上に置かれていた卵を玉付きの如く空へ上げ手を受け皿にし回収する。それを、可哀想に、プルメリアに出番を奪われた少年にせめてもの謝罪をと握らせる。
日光に照らされ赤とオレンジのグラデーションがより美しく輝く卵。生憎オレには似合わない色の為お裾分けだ。

｢樹、そろそろ他のを探すぞ｣

｢はいはい、じゃあね。お二人共｣

呆れたようにため息を着く友人をこれ以上放っておく訳にも行かず、オレは彼女の隣に立つ。

｢ここ周辺に立つ木の上に置かれたのはあれが最後だね。木々を渡って探したから下らへんはわかんないけど｣

｢上に置けば卵は転がって壊れる可能性だってあるからな。私もそう数はないと読んでいた。｣

｢え、そう？木の上とか皆調べないから多いかなと思ったんだけどな｣

やっぱり自分の爪は甘いらしく、また予想は外れていたようだった。やはりオレには頭を使って操作したり探したりするのは苦手らしい。克服したいとは思ってるんだけどな。

すると急に目の前から黒い塊がオレの方に走ってくるのが見えた。熊ぐらいの大きさで、熊でもイノシシでもない黒い物体はさっきみた異形のモンスターと姿は違えど間違えなかった。

｢プルメリア、異形のモンスター発見したけど、どうする？｣

｢このまま野放しにすればさっきのような茶番をまた食らう羽目になりそうだからな。倒しておこう｣

相変わらず危機感もなく新しい飴玉を舐め始める姿に呆れを通して何処か安心感まで覚え始める。プルメリアの魔法は後方支援型。つまりオレが前に出るしかないということになる。

｢俺も後方狙撃型なんだがな｣

右手に弓を作り、腰にナイフをつける。俺の魔法上、ナイフも弓も全て木製故殺傷能力は低いが、その先に使われた毒は種類によっては相手を冥界に送ることなど容易いものだった。

今回はモンスターだし、トリカブトで良いか。