【リレー小説】スカイハイ転生学園！～イースター編～ (ページ12)

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「ーーーピックマン君！！」
「うわぁッ！？」

頭上から降ってきた声に思わず肩が跳ね上がり、思考が現実に引き戻される。授業はとうの前に終わっていて、あの羽虫の音の代わりに生徒達の談笑する声が教室に響いていた。心なしか教室にいる生徒も減ったようにみえる。

ズレた眼鏡をかけ直しながら恐る恐る顔を上げると、クラスメイトだろうか、そこには首を傾げてこちらを見る少女がいた。
彼女はランドルフと視線がかち合うと、やーっと気がついた！と言って、少女は空色が交じった金髪の中でころころと笑った。髪を留めているであろう丸いピンがやけに印象に残っていた。

「もー、心配したんだよ？ずっと声かけても反応ないし、何か顔が真っ青だったし。大丈夫そう？保健室行く？」
「あ、えっと問題ないよ、うん。全部クトーニ...いや何でもない、大丈夫です、ホントに」
「んん？”クトーニ”？何それ？」
「...”肩に”痛みがあるなーって。今はもう平気です」
「ふーん」

息をゆっくり吐いて落ち着きを取り戻す。彼女に対して軽く笑ってみせると、少女は大方納得した様子で顔を上げた。些か強引な言い訳だが、これくらいなら疑念はすぐに霧散するだろう。

「具合悪い時は無理しちゃ駄目だよ？後、次お昼だから早く食堂にいった方がいいよ！」
「ああ、だからわざわざ声をかけてくれたのですね。ありがとうございます」

本当に、声をかけてくれなかったらどうなっていたことか。内心冷や汗をかいているランドルフとは裏腹に、少女は「それじゃーね！」と明るく手を降って教室を出ていく。
そうして、ようやく教室は静まり返った。

◆◆◆

学園全体を巻き込むイベントはもうそこまで近づいてきている。その始まりを今か今かと待ちわびている生徒達。だが、そういった中で彼だけは、『嫌な予感しかしない』と一人不安を募らせていた。

(...あっ、そういえば、あの子の名前聞き忘れたな...)