9 加州清光 ページ10
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それに、叩く音は響かない。
代わりに、ポタンと赤い雫が落ちる音が聞こえた。
「痛いっ……！」
主の手に傷が出来ている。
見習い猫さんの爪のせいだ。
「すみません。猫は動体視力がいいのです。爪もこう見えて滑れせれば、肉を切り裂きます。手を上げるのならばお気を付けください。にゃん」
見習いの猫さんは冷たく笑っていた。悪びれることなんてない。
「な、何するのよ！ 貴女！」
「嗚呼、その程度の傷くらい放置したらどうでしょうか」
「何言ってるのよ！」
「にゃにゃん？ 貴女が今まで言ってきたことですよ」
「私は人間なのよ！ 馬鹿じゃない！？」
「生憎、私は化け猫故……違いがわかりませんにゃん」
ピンと逆立てた尻尾が、左右に素早く揺れる。
「政府に言って貴女を追い出すわよ！」
「それは此方の台詞にゃん。政府に報告しました。此処の本丸の状況」
「なっ！ 何を勝手に！！」
「見習いの義務ですよ。本丸の状況を報告することも。貴女は恐らく厳罰に処されるでしょう。当然です。傷だらけの付喪神を放置なんて、祟れても文句は言えません」
見習いの猫さんは怒った。笑みをなくして、鋭い眼で睨み付けている。
「あまり人外を舐めないで頂きたい」
同じ人外だから言える言葉。
彼女の溢れる霊力に、俺達も気圧された。
「にゃん」
見習いの猫さんは、そう可愛らしく首を傾げて鳴く。
気圧された主は、わなわなと震えたが政府に弁解でも行くのか、飛び出していった。
「……さて。見習い風情ですが、手当てをしましょう」
そして俺達に向かって、少し悲しげに微笑んだ。
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羅亥魅@文アル布教したい。(プロフ) - 何か終わりになってるぅぅぅ、えっもうコレ終わりなの この小説終わりなのぉッお願いします続けて下さい（土下座） (2018年7月19日 16時) (
レス) id: f2314de1fa (このIDを非表示/違反報告)
BENI(プロフ) - 柚希さん» 微笑ましい、ありがとうございます！ またいつか続きを書きたいですね。微笑ましい日常が、書けますように！ (2017年7月28日 16時) (レス) id: df61bdf79c (このIDを非表示/違反報告)
柚希 - 微笑ましい作品にくぎ付け(*´ω｀*) (2017年7月28日 9時) (レス) id: 24182f5998 (このIDを非表示/違反報告)
BENI(プロフ) - RUMさん» ボクでしたか！失礼いたしました、直しておきますね！ (2017年7月28日 8時) (レス) id: df61bdf79c (このIDを非表示/違反報告)
RUM - 13話の、乱ちゃんの一人称は ボク ですよ (2017年7月27日 21時) (レス) id: f2bcadd75b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：BENI | 作成日時：2017年7月14日 9時
