【雨音】 (ページ7)

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私の家は高校から徒歩約40分の場所にあるアパート

「ただいま」は言わない。
「おかえり」なんて帰ってこないから。

鍵を開け家に入れば誰しも安心感に浸るのかもしれないが、私はそんな風には思わない。いや、正しくは思えない。と言った方がいいのか…

私の母親はもうこの世には居ない。

幼い頃、道路に飛び出してしまった私を庇い亡くなってしまった。

そこから全てが変わった。

父親と母親は非常に夫婦仲が良く、幼いながらに2人が愛し合っていることは強く感じることができた。

3人で旅行に行ったり、両親が参観日に私のことを毎回見に来てくれたり、今思えば消し去りたいようで大切に胸に閉まっておきたいと思う過去だ。

家に帰れば自分の部屋に隠る。
まるで誰かさんから逃げるかのように…

部屋に飾られた1枚の家族写真を眺め、昔の思い出を懐かしんでいたらいつの間にか眠ってしまった。カーテンを少し開き外を見渡せばもうすっかり夜になっていた。雨がパラパラ降っている。

「喉、乾いたな」

そう思い部屋を出て冷蔵庫に手をかけ水を取り出した瞬間

ガチャｯｯ……

終わった。
以外にも冷静な自分に驚いた。

今日は本当に疲れる。
神様はやっぱり私のことなんかどーでもいいんだ。