【雨音】 (ページ13)

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ひと通り自分の人生を振り返った。

思い出や記憶の約9割が吐き気がするような苦しく辛いものだと、最期の最後に強く感じて虚しい。

「ねえ神様…？なんで私はこんなにも価値のない人間なの？ふふっ笑っちゃうよね。」

せめてもの私の悪あがきだ。

涙も枯れ果ててどうしようもない笑いが込み上げてきた。

「もう…楽になって……いいよね。」

誰もいない。雨音だけが響き渡る思い出の公園。

「母さん。私を庇ってくれてありがとう。」

「父さん。今では父さんの存在が怖くて仕方ないけど、優しかった頃の父さんが大好きでした。」

「大切な大切な母さんを殺してしまってごめんなさい。父さんが私を憎み恨むなら…私は……私が、消えるね。」

この世にもう未練などはない。

寧ろ、大好きだった両親との思い出の公園で死ねるなんて本望だ。

なんて思えた自分は相当心が病んでいるのか。

カッターの刀をカチカチと全て出し切った。

首元に近づけ、死ぬ準備は満たんだ。

「ふぅ…」

軽く深呼吸をし、手に力をいれた。

「ふっっ！！！」

勢いよくカッターを振り上げた

？「何、してるの？」

土砂降りの雨の中。

何故かその声だけが鮮明に聞こえた。