尖る瞳眠る声 (ページ41)

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開けられた窓から入ってくる風でAちゃんの髪が靡く。揺れる金色の髪は対向車のライトに照らされてキラキラしていて、こんなところでも輝いてしまうステージ上とはまた違うAちゃんの存在感に感動する。

"好きの終わり"

Aちゃんからの急な問いかけに思考を巡らせてみたけど、すぐには答えを出すことができなかった。Aちゃんは黙って窓の外を見ているからきっとまだ俺のターンなんだろうけど、質問の意図とその表情の意味を掴むことができなくて出す答えを迷ってしまう。

今から出す俺の答えが、何かを変えてしまうと直感がそう言っているから。

「終わりは、ないんちゃう」

正解を探してみたけど何が正解かなんて分かるはずもなく、思ったことをそのまま口にした。ゆっくりとこちらを見たAちゃんの表情はまだ読めなかったけど、これは俺の本心だからそれがどう作用しようと仕方のないこと。

「ずっと好きってこと？」
「嫌いになることを終わりって言うんやったら、それは終わりなんかもな」
「嫌いになることが終わりじゃないの？」
「まあそれは人それぞれやと思うけど」

そんな深く考えるようなもんでもないんちゃう、と最後に付け加えた一言が余計だった気もするけどまた窓の外を見て何かを考えているAちゃんの表情は、さっきほど読めないものではないように見えた。

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