第853話 幻。 ページ13
A「お皿、まだ洗い終わってないでしょ？全部洗ってください。」
CM「…はぁーい(笑)」
A「……」
チャンミンの背中に響く鼻歌が
あのイヴの出来事を思い出させる。
またチャンミンは離れてしまうの？
今日来てくれたのは私が倒れたから？
「"会わない"の、終わり」って
そう言ってくれないの？
…ずっとここにいる事ができないのは
ちゃんとわかってるよ。
ニュースで見たから…
"東方神起、再結成"
"韓国を拠点に活動再開"
"復活・アジアツアー決定"
…トンペンとしては本当に嬉しくて。
だけど素直に５人に
「おめでとう」「よかったね」って
そう言えない自分もいて…
CM「〜♪」
A「……」
"韓国を拠点に"…
それはチャンミンが前とは違い
日本にいる時間が減るってこと。
韓国に行ったまま
しばらく帰って来ないってこと。
チャンミンには
ずっと会えないってこと…
A「…グズッ(泣)」
そんな人と恋をしてるんだから
これぐらい耐えなきゃいけない。
だけどそれはチャンミンが
私を想ってくれてるからこそ
寂しくても頑張れること。
"会わない"が終わらなければ
想ってくれてるって安心できないよ。
だけど昨日ユチョンが言ってくれたように
いくらチャンミンの気持ちが
私に向いていても
私がチャンミンに向き合う準備が
出来てないなら意味がないんだよね。
抱きしめる腕に更に力を込める。
CM「A、苦しいよぉー(笑)」
A「…うっ…(泣)」
今ここにいてくれるチャンミンが
幻なんかじゃありませんように。
この手を離したら
消えてなくなりませんように…
CM「終わったぁー♪」
その声で私は我に帰り
チャンミンのＴシャツに
顔を擦り付け涙を拭いた。
振り返るチャンミンは
私を抱きしめようとするが
私の赤くなった目尻を指でなぞり
「何泣いてるんですか」と優しく微笑む。
A「な、泣いてない(泣)」
CM「嘘つかなくていいです。」
A「本当に泣いてない！泣」
CM「ぼっくはー、Aの泣き虫さんな所が好きです。」
A「…うぅ(泣)」
CM「だからーたっくさん泣いてください(^^) 僕はここにいるから。」
そう言うと私を強く抱きしめた。
チャンミンの胸の中は優しく暖かかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「東方神起」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：natsu
| 作成日時：2012年4月26日 17時
