第667話 気分転換。 ページ7
―――― ピーッピーッピーッ
A「んん〜〜…」
昨日のお昼に帰宅して
ケータイを握りしめたまま眠ってしまい
その電池切れを知らせるアラームで
目を覚ました私。
急いでケータイを充電器につなぎ、開く。
A「……」
やっぱり連絡はない…か…
待受画面には昨日ジェジュンから届いた
チャンミンの横顔の写真。
まるで私達が出会う前の
"東方神起のチャンミン"のように
遠い存在の人に感じる。
私はその横顔に
「おはよう」と小さく言うと
寝室からリビングへと向かった。
｜
｜
そのままにしてあった荷物をほどいて
たまっていた洗濯物を回す。
その間にお風呂に入り
有り合わせの物で朝食を作り
今まで韓国・日本と
せわしなく過ごしていたのとは違い
ゆったりとした時間が流れる部屋。
時計を見ると11時半。
"朝食"にしては遅すぎる時間。
でも時の流れさえ関係ない。
ただ気分に身をまかせて
予定のない真っ白な１日を過ごしていく。
今日は何しようかな…
いつも東方神起の
ライヴDVDを観たりCDを聞いたり
自分なりのリラックス方法があるけど
今日はそれもしない。
寝室に置きっぱなしのケータイも
チャンミンからの連絡は
もう期待しない事にした。
余計につらくなってしまうから…
考える事はたくさんあるのに
そうしたくない、できない私は
部屋にいるとなんだか息が詰まって…
だから気分転換に外出することにした。
｜
｜
世間では１週間後にせまった
クリスマスイヴにすっかり賑やかで
どこもかしこもクリスマス一色。
私は幸せそうにショッピングをする
いくつものカップルを横目に
気ままに歩いていた。
初めてチャンミンと会ったのは
３年前のクリスマスイヴ。
その日に想いが通じて…
あれから３年も経つのに
２人一緒にいた時間は
本当に２か月もない。
だけど会えなくても私達は
確かに２人だけの愛を育んできたつもり。
"一般人"ではない彼と一緒にいるなら
普通の恋人よりも会えない時間が
圧倒的に多いんだろうけど
どうして今、私達は
やっと一緒にいれるのに
こんなことになってるんだろう…
すれ違う恋人達の幸せそうな笑顔を見て
自分達の現状と比べてしまう私は
マフラーに顔を埋めて
１人泣きそうになりながら
目的もなく賑やかな街中を歩いていた。
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作者名：natsu
| 作成日時：2012年4月14日 0時
