第171話 どうして。【YN Side】 ページ11
【YN Side】
恐れていた答え。
チャンミンが辞めると言った。
"事務所"を、"歌"を…
"東方神起"を―――…
CM「……」
YN「……」
チャンミンの気持ちは
誰よりもわかってる…つもりだ。
おそらくAさんと別れたあのイヴから
この選択肢はあったんだろう。
でもあの時のチャンミンは
"東方神起"を選んだ。
その代わりに恋を…
"Aさん"を諦めた。
つらい選択をしなくてはいけない…
そんな状況に立たされてしまった
チャンミンはいつも怒っていたんだ。
自分の好きな人と幸せになりたい気持ちは
人として当たり前のことなのに。
自分の好きな、歌を歌う仕事に
幸運にも就いている僕らは
歌う事が仕事なのに。
どちらも両立できない状況に
やり場のない怒りを抱えていた。
そこに…あの時のチャンミンは
怒りを向けていたと、ようやくわかった。
YN「…はぁー…」
僕はチャンミンのことを
今までわかっているようで
わかっていなかったんだな…
だけど…僕は今のお前の気持ちは
痛いほどわかってしまうんだよ。
人を愛し愛される幸せを
チャンミンは知ってしまったから――…
またこの選択に迫られた状況に立たされ
また苦しくて悲しい想いを
強いられなければいけなくて…
だからこそ
もうAさんを離したくないよな…
CM「…ヒョン…」
YN「……」
…でもチャンミンもわかってるんだろ？
歌う事を辞める事は
お前の本心じゃない。
だって歌手として生きた５年間は
チャンミンの宝物の５年間じゃないか。
いつかジェジュンが言っていた言葉
お前も覚えてるだろう？
"歌を歌う事を仕事にしている人は
歌がなければ生きていけない。
――― その意味をわかった気がする。"
CM「…ごめん、ヒョン…」
YN「……はぁ…」
チャンミンもそうじゃないか。
なのに、なんで…
なんで「辞める」だなんて……
東方神起は５人だろ？
お前が辞めてしまったら
どんなに今寂しさに耐えていても
４人しか集まらないんだよ…
…１人足らないんだよ。
どうしてだよチャンミン…
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作者名：natsu
| 作成日時：2011年10月14日 1時
