ピアス (ページ7)

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「今日は遠足のコースを各班で決めてくれ」

学活の時間、先生の言葉に騒ぎ始める教室内。

1年の中でわりかし大きめのイベントであるため、

こうなるのも無理はない。

紫耀「これってなんの班？」

『あぁ、座席の班。だから…一応私と一緒』

紫耀「ふぅん」

そういうと途端に前を向いた紫耀は

クラスの雰囲気に不釣合いで、無表情だった。

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＿平野くんはどこ行きたい？

＿平野くんの行きたいとこにしようよ！

＿そうしよ！

同じ班の女子たちは

揃って紫耀の言う通りにしようとするが

本人は全く興味が無さそうだった。

紫耀「…別にどこでもいいよ。

俺、そういうとこ行ったことねぇし。」

『どこでもいいなんて…』

そういうときに「どうでもいい」という男子は

大抵女子から鋭い視線を浴びる。

そんな心配をしていたが、

＿何、あのクールな感じ！かっこいい！

＿周りの男子が猿に見えてくる！

陰でこそこそと話している女子たちを見て

その心配はなさそうだと安心する。

紫耀「おい、Aくるよな？」

『当たり前じゃん！一大イベントだよ？』

紫耀「こんなのが？」

『…こんなのって』

チラッと廉の方を見ると

彼は彼で、たくさんの女子に囲まれていて

なんだかとても楽しそうだった。

紫耀「永瀬のこと、気になんの？」

『あ、いや別に？ただ、どうなのかな～って』

紫耀「…あっそ」

やっぱり紫耀と廉は仲が悪い。

廉に紫耀の話をしても、紫耀に廉の話をしても

なぜか冷たくあしらわれる。

＿紫耀がちょっと怖いからかな？

＿まさか廉が余計なこと言ったのかな？

私が心配するようなことではないけど

たまに感じるピリピリとした空気には

毎回恐怖を感じる。

とりあえず、仲直りしてくれますようにと

心の中で祈るしかなかった。

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