ピアス (ページ15)

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意味ページ15

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「お、おい！なんだ！そのピアスは！」

紫耀「え…今更ですか」

「まさか！お前転入生の…平野か！」

気怠そうに先生と会話する紫耀は

私からすると、いつもと変わらぬ姿だった。

少し離れたところから見ている私たち。

他にも何人かの生徒が野次馬のように

先生と紫耀のことを見ていた。

紫耀「ピアス、ダメなんですか？」

「ダメに決まってる！

校則にしっかり記載されてあるはずだ！」

紫耀「あ、片耳ピアスの意味、知ってます？」

思いもよらない紫耀の言葉に目を丸くする先生。

見ていた野次馬生徒も言葉の続きに

興味津々なようだった。

「そんなもん知らん！関係ない！」

紫耀「勇気と誇りを持ってあなたを守る、です」

まるでドラマのワンシーンのような台詞に

見ていた女子たちは歓声を上げ、

そして先生までもが言葉を失った。

その間に紫耀は校門をくぐり、

何事もなかったかのように歩いている。

廉「…平野ってあんなロマンチストなん？」

『…なんか紫耀らしい』

「勇気と誇りを持ってあなたを守る」

その言葉は遠足のときの紫耀の姿に

ぴったり重なった。

『…って、こんなことしてたら遅刻だよ！』

廉「うわっ！やべぇ！」

立ち尽くしている間に

時間はどんどん流れていて

もう席につかなくてはならない時間だった。

私と廉は急いでダッシュし

階段を物凄い勢いで駆け上がると

滑り込む様に教室へ入った。

廉「ギリセーフ！」

『…良かっ』

教室に入るや否や

恐らくさっきの一連の流れを見ていた女子たちが

紫耀の席の周りに群がっていた。

廉「…なんやあれ！俺もピアス開ける！」

『え、やめなよ。廉は王道でいかなきゃ』

廉「王道…？」

『あ、なんでもない！』

遠足のときの言葉を思い出し

口に出てしまった言葉を、慌てて撤回する。

『廉は廉のままで大丈夫ってこと！』

廉「…そ、そうやな！俺はそのまんまでええ！」

適当に誤魔化すと

幸い嬉しそうにしてくれる廉に

心の底からホッとした。

また紫耀の方に視線を戻すと

たくさんの女子に爽やかな笑顔を見せる姿に

少しだけ胸が痛むのを感じた。

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