ピアス (ページ13)

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コーヒーページ13

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『…ごめん。今度ちゃんとお詫びするね』

紫耀「…しつこいな、気にしすぎ！」

『だって…』

みんなはもう帰ってしまったようで

電車の中に同じ学校の生徒はいなかった。

紫耀「じゃあなんか奢って」

『それでお詫びになるならなんでも奢る！』

紫耀「んー、じゃあコーヒー」

そんなものでいいのかと驚くと

それがいいんだと返される。

しかも自販機のがいいって。

『…じゃあ、コーヒーで』

紫耀「うん。それでもう気にすんなよ？」

『ありがとう…』

一生罪悪感を持ってしまうと思うけど

紫耀の笑顔を見ると

その気持ちも少し和らいだ。

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電車から降り、自販機を見つけると

紫耀が好きだというコーヒーを買った。

『はい！どうぞ』

紫耀「ありがと」

飲み始めるかと思いきや

紫耀は自販機の前に立ち、違う何かを買った。

紫耀「これ、あげる」

『え…？』

渡されたものはココアだった。

『これじゃあ奢った意味ないよ？』

紫耀「ばーか。俺が勝手にしたことだろ？

それに俺以上に疲れてんのAだし」

そう言って少しだけ笑うと

プルタブを開けてコーヒーを飲み始めた。

私も申し訳なく思いつつも

ゆっくりとココアを口に運ぶと

優しい味にまた涙が出そうになった。

紫耀「やっぱこれ美味いわ～」

『これも美味しい！』

紫耀「みんなそんな甘いのよく飲めるよな」

私は苦くて飲めないコーヒーを

好んで買っている紫耀は

やっぱりどこか大人で、余裕があった。

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