ピアス (ページ11)

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「俺らはさ、ちょっとお金くれれば

すーぐどっか行くから！ねぇ？」

「そうだよ。お金分けてくれればいいの！」

『…いくら払えばいいんですか？』

恐る恐るそう聞くと

その人たちは気持ちの悪い笑みを浮かべた。

「うーん、まあ5万くらいでいいよ」

『え…そんなに持ってません！』

「…ふーん。じゃあ、お仕置きかな？」

「おい、てめぇら。何やってんだよ」

もう終わりだと思ったとき

聞き覚えのある声が聞こえ、振り返ると

そこにいたのは

紫耀だった。

『紫耀…なんでここに？』

紫耀「…Aが急にいなくなったからだよ！」

「君ら、イチャイチャするのいい加減にしてよ」

「そーだよ！どこの誰だか知らねぇけど

金よこさねぇと、ボコボコにすっからな？」

紫耀「は？てめぇらに渡す金なんてねぇよ。

やりたいならかかってくれば？」

『紫耀！やめて！』

紫耀「A。悪ガキなめんなよ」

その瞬間、その男たちは紫耀に殴りかかった。

相手は3人。敵うような相手ではない。

しかし、相手が殴ろうとしても蹴ろうとしても

紫耀は綺麗にかわしていき

その一方で相手に手をあげることはなかった。

「お前、強すぎ」

「もうやめようぜ」

しばらくすると、諦めがついたのか

息を切らし、鋭い目で睨みながら

その男たちはどこかへ消えていった。

『ごめんね…ありがとう』

紫耀「みんなに探してこいって言われたから…

もう心配かけんなよ？」

紫耀とちゃんと話したことで

安心のあまり、涙が溢れてきてしまった。

紫耀「ほら、もう！泣くなよ」

紫耀は、そんな私の頭を優しく叩いてくれた。

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