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目黒side
佐久間くんあんなところで休憩したら溶けちゃうんじゃない?今日もカンカン照りの太陽だし
まぁ、俺優しいからさ。佐久間くんのために水汲みに行ってるんですけど
「…あーあったあった」
少し登ったところに綺麗な湧き水が流れていた
「これくらいでいっか…あ、ついでに」
両手で掬って口元に持ってくる
「うん、悪くない」
冷たくてドゲトゲしてなくて滑らか、おそらく軟水か
ペットポトルに水を汲み登ってきた道を降りていた
「…あ、花」
足元には太陽の光を沢山浴びた小さな花が咲いていた
「……綺麗。人間界もいいところだな、自然も人も」
改めて人の良さを教えてくれた舘さんには感謝しかないな
だからこそ行方不明になった彼を一刻も早く探したい一心なのだ
少しばかり花を愛でて再び降りる途中だった
「……!?何だこの禍々しい気は…」
それが人間から溢れ出るオーラではないことはすぐに分かった
「…この気…妖か」
俺の予想だと今いる辺から丁度南西の方向、そちらから風に乗って流れてきている
「急いで佐久間君に知らせないと…」
道中をさらに加速して降りていった
―――――
「佐久間君っ……おっと」
佐「悪い…」
戻ると佐久間くんは真っ白に染まり妖の姿に変わっていた
「佐久間くん大丈夫?」
佐「俺は平気」
「はぁ、辺り一面雪降らせたか…肌寒いって」
佐「妖に反応して妖気が出ちゃったんだよ…俺妖アレルギーだから」
「知らないよ、そんなのないから笑」
佐「えぇーっ…」
でもそんな悠長なこと言ってられない
「そんなことより…」
佐「悪い、話が脱線した。この禍々しい妖気だろ?」
「あぁ」
佐「こりゃアイツらの仕業か…」
「まじ?そこまで把握してんの?」
佐「予想だよ?」
アイツら…だとしたら結構厄介だな
佐「それよりどっちの方向?」
「南西の方向」
佐「今来た道……ってことは」
「あぁ、あの神社の主たちのところからだ」
佐「翔太…康二……」
「どうしようか佐久間くん」
佐「…っ、めめ戻るぞ」
そう言って踵を返す
「ちょ、ちょっと待って…俺たちが戻ってどうにかなる問題なの?」
佐「それでも居ないよりはマシだろ?早くしないと何かあってからじゃ遅い」
いつもは温厚な彼だが今はかなり殺気立っている
佐「ほら、迷ってる暇はないよ」
「…分かりましたよ」
俺たちは先程までいた屋敷の方に向かって走り出した
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雨乃ふあ(プロフ) - えなさん» 閲覧していただきありがとうございます。毎日更新できるように頑張ります (2021年3月10日 2時) (レス) id: bc9832efa4 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2021年3月8日 12時) (レス) id: dc9b401a24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨乃ふあ | 作成日時:2021年1月26日 13時