検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:526 hit

7 ページ7

「入ってもいいの?」




お久しぶりの直ちゃんの家は私が入っていいのか…。
だって、由美さんからしたら絶対に嫌なことだから。





直人「うん。どうぞ。」




そんな心配なんてしなくていいって感じで招き入れてくれた。




「お邪魔します。」




少し前までは自分の家のように寛いでいた部屋。
だけど、こんなに居心地が悪くなるなんて。




直人「お邪魔しますって今更。フフ、どうぞ。」





懐かしいし、ふわりと香る直ちゃんの家って香りに安心する。






直人「コーヒーでいいよね。哲也さんのブレンドだから美味しいはず。」




「やった。哲也さんのはどこのよりも美味しいから好き。」





直人「…。」




コーヒーを飲む私を無言で見つめる直ちゃん。




「…何か付いてる?」




直人「ううん。いや…いい顔するなって。」




「美味しいから仕方ないじゃん。」





たわいもない会話だけど、久しぶりな感じ。





「…何か、話あったんじゃないの?」





このままほのぼのしちゃいそうで、話の核心に触れた。





直人「あ、うん。そう。えっと、この家のことなんだけどね。前はAと一緒のマンションなら気軽に会えるってここに住んだけどさ、えっと…別れちゃったし、こんな風に突然会っちゃうのも気まずいかなぁって、それで、引っ越そうかなと考えててね。」





バツが悪そうに話す直ちゃん。




「えっと…、あの…。


…フッ…フフフ(笑)」





直人「え?」





考えることが同じ過ぎて、笑えてきちゃった。





直人「何でそこで笑うの?」






「…いや、同じこと考えてるなぁって。」





「やっぱり、…うん、今更こんなこと言うのズルイってわかってるけど、でも、思いあうとこ一緒だから、私達は今まで一緒に居たんだなって、改めて思って。」




直人「…」




「私ね、引っ越しすることにして、もう部屋も解約して次のところも決めてきたの。」





直人「え?」




「やっぱり一緒のところには住めないって…私も考えてね。お互い、思いやるとこ、一緒だね。本当に不思議。」




そんな私の言葉に直ちゃんの顔が歪む。





「…ごめん。何か、私空気読めなかったね。」





直人「ううん。でも、やっぱり手放さなきゃ良かったって…。ちゃんとAと向き合ってたらって考えちゃってさ。」





直人「…本当に好きだったなって。」




直ちゃんの顔がまともに見れない。

8→←6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:三代目 , 山田涼介
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:moon0629 | 作成日時:2020年12月9日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。