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「入ってもいいの?」
お久しぶりの直ちゃんの家は私が入っていいのか…。
だって、由美さんからしたら絶対に嫌なことだから。
直人「うん。どうぞ。」
そんな心配なんてしなくていいって感じで招き入れてくれた。
「お邪魔します。」
少し前までは自分の家のように寛いでいた部屋。
だけど、こんなに居心地が悪くなるなんて。
直人「お邪魔しますって今更。フフ、どうぞ。」
懐かしいし、ふわりと香る直ちゃんの家って香りに安心する。
直人「コーヒーでいいよね。哲也さんのブレンドだから美味しいはず。」
「やった。哲也さんのはどこのよりも美味しいから好き。」
直人「…。」
コーヒーを飲む私を無言で見つめる直ちゃん。
「…何か付いてる?」
直人「ううん。いや…いい顔するなって。」
「美味しいから仕方ないじゃん。」
たわいもない会話だけど、久しぶりな感じ。
「…何か、話あったんじゃないの?」
このままほのぼのしちゃいそうで、話の核心に触れた。
直人「あ、うん。そう。えっと、この家のことなんだけどね。前はAと一緒のマンションなら気軽に会えるってここに住んだけどさ、えっと…別れちゃったし、こんな風に突然会っちゃうのも気まずいかなぁって、それで、引っ越そうかなと考えててね。」
バツが悪そうに話す直ちゃん。
「えっと…、あの…。
…フッ…フフフ(笑)」
直人「え?」
考えることが同じ過ぎて、笑えてきちゃった。
直人「何でそこで笑うの?」
「…いや、同じこと考えてるなぁって。」
「やっぱり、…うん、今更こんなこと言うのズルイってわかってるけど、でも、思いあうとこ一緒だから、私達は今まで一緒に居たんだなって、改めて思って。」
直人「…」
「私ね、引っ越しすることにして、もう部屋も解約して次のところも決めてきたの。」
直人「え?」
「やっぱり一緒のところには住めないって…私も考えてね。お互い、思いやるとこ、一緒だね。本当に不思議。」
そんな私の言葉に直ちゃんの顔が歪む。
「…ごめん。何か、私空気読めなかったね。」
直人「ううん。でも、やっぱり手放さなきゃ良かったって…。ちゃんとAと向き合ってたらって考えちゃってさ。」
直人「…本当に好きだったなって。」
直ちゃんの顔がまともに見れない。
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作者名:moon0629 | 作成日時:2020年12月9日 2時