美しい世界に貴方は1人 (ページ18)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:69,096 hit

sixteen ページ18

・

「桜井さん！」

『はい？』

次の日の学校。
席に座り音楽でも聞こうとしたときに可愛らしい女の子の声が聞こえた

何かに興味津々かのような
無邪気な噂話でもしたそうな
そんな明るい声

「北高の生徒と付き合ってるの！？」

北高…
北高と言えばすぐ近くの優秀な高校。
ここは南高でみんな北高の頭いい生徒に憧れを持っているのだ。

そんな人とは私は無縁だ。
そもそも友達ですら廉と最近なった岸くんだけなのに彼氏なんかいるわけないじゃないか

それを一番知ってるのは私のこと無視する貴方達女子なのではないだろうか？

『付き合ってる人いないから。』

「えー！でも昨日北高の生徒と帰ってるとこ見たよ！」

その言葉で「北高の生徒」の正体が判明した。

紫耀だ。あの人アホな感じするけど天才なんだ
ワァオ。今日一番の衝撃

『違うよ、家まで送ってもらっただけ」

正確にいうと一緒に住んでますが
昨日で高3ということが分かった為、同居してるなんて言えません

「へー！そうなんだ！あ、てか桜井さん私のこと知ってる？」

『あ、ごめん…ちょっと』

「桃井乃々(モモイノノ)！！」

『桃井さんね…』

「みんなはのんちゃんとか桃ちゃんって言ってるからそう呼んで！！」

この子はきっと誰にでも好かれてるんだろう。
明るい雰囲気の桃井乃々ちゃん
もしかしたらこの子なら友達になってくれるかもしれない？

私が覚えてる中ではじめての女友達に

『桃ちゃん…』

呟くだけで
にやけてしまった