６◆ ”二人”の結末。 ページ37
「これが真実だよ」
震えが止まらない。
私を抱きしめるこの腕が、父親を殺した？
「俺はね、自ら望んで殺したんだ。まあ、母ちゃんが言ったからだけど……」
「だ、大介？」
コツコツと鳴る靴音に緊張感が増した。
「答え合わせしてあげんね」
大介は話す。
本当は全て知っていたことを。
「なぁんかおかしいなって思ったんだよね。あのターゲットを調べても悪い噂は特になかった。そりゃあ出世する為に仕事にばかり精を出すもんだから彼女には呆れられていたりするけど、少なくとも孕ませて捨てるような男ではないってね。そんな嘘をついてまで俺に殺しをさせたい理由ってなにかなって調べていくうちに、元彼女であるAにたどり着いた」
エスの正体を掴む為に撒いたはずの種だったけれど、逆に私が引っ掛かっていたわけか。
「こんな完璧すぎる家族の末っ子ちゃんが、まさか殺し屋さんだったなんてね。君、ほんと危ういよ、殺し、やる気ないんだなぁってすーぐわかっちったもん」
大介は話しながら傍にあるトレイの中身の触れる。注射器、その中身はなんだっていうの。
私に何をする気だろ。
「Aは言わばエリートなんだよ。殺しのね。なのにパッと出の俺なんかに正体バレてるようじゃあ遅かれ早かれいつか捕まってたと思うな。こっちの人間か、警察か」
注射器を持って、ビュッと中身が出るか確認するとそれを持ってこっちへ戻ってくる。
ガタガタと椅子ごと逃げようと試みるけど、倒れそうになっただけだったし、しかもそれを大介に支えられ結局元に戻される始末だ。
「っ、ねえ、やめて。なにするの？ 私こと好きって言ったじゃん、一緒に居てくれるって。全部嘘なの……」
「好きだって言ったじゃん。だから全部話してあげたっしょ俺のこと。その上で受け入れてくれるよね」
「受け入れ、る？」
私のことを縛ったまま大介は私の腕を取ると注射器の針を差し込む
チクリと痛みが走って全身が震え出す。
もっと酷いことをしてきたのに、これくらいに怯えてしまうなんて。
笑えるよ。
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ゆきんこ(プロフ) - 悠砂さん» コメントありがとうございます！最後まで読んでもらえて嬉しいですし、続きを読みたいと思ってもらえたことも嬉しいです！続きを書くとしたら、今回のようなスピードでは書けないかもですが書けるように頑張りたいと思います😌ありがとうございました！ (2022年8月8日 22時) (
レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
悠砂 - こんばんは。最後まで読ませていただき、続きが読みたいと思いました。ベッターでも占ツクでもいいので、続きが読めると嬉しいです！他の作品もあるので、大変かとは思いますが、ゆきんこさんの作品はとても好きなので、楽しみにしています。 (2022年8月7日 22時) (レス) @page44 id: cf5d43c431 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さーん！気にしてくれてる方いたー！って喜びの舞を踊ってます私😂 誰も気にしてないかぁって思ってたんですが、この伏線大好き女の私なので何かあるって思ってもらえないかなぁとか(笑) やる気出ました！頑張ります！！ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あきさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます😊 その言葉励みに頑張っております！！ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさーん！途中でコメント入れるのはお久なのですが、中編まで公開、お疲れ様です！いや、私気になってんですよ、お兄。←コレが言いたくてコメントしました🤣後編も楽しみにしてます！ (2022年8月6日 19時) (レス) id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2022年8月4日 7時
