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「馬鹿だねお前。俺なんて助けたって何の得もないのにさ」
「馬鹿でいい」
「にひひ、だったら俺も馬鹿になろうかな」


ぽんぽんと撫でられ、佐久間さんは私に顔を寄せる。
間近でみると本当に綺麗な顔だ。
黒髪の時には幼があって、でもピンク髪の今は年相応な色気を纏い。このギャップにもまた私は惹かれたのかもしれない。

ドキドキ、ドキドキ


「もう終わらせなきゃ駄目か」
「うん、私と……ん、」

むにっ、と柔らかい唇が私の言葉を飲み飲んだ。


「大介って呼んで。特別な人になってくれんでしょ?」
「っ、うん! なる! なりたい! 大介」
「ふふ、お前ほんと変わってんね。そういうとこ嫌いじゃねえよ、A」


キュンと胸が苦しいくらい締め付けられて、こんなにも心がザワついたのは初めてだった。
好きって感情はこんなにも人を幸せにするんだ。


「私達、今まで真っ暗な世界にいて、いっぱいの人を傷つけた。それでもいいよね……」


不安はいっぱいある。
こんな血に染まりきった人間が、今更反省して人並みの幸せを求めていいのかって。


「幸せに、なってもいいよね」


大きく瞳を開いて、長いまつ毛に覆われた真っ暗な瞳は、次に私を捉えて言ってくれる。



「二人で償っていけばいいんじゃない、かな」



どっかの田舎でひっそりと暮らしながら、二人でなら寂しくならないだろうしって。
ふふ、と自然と笑顔が溢れた。
大介の心を開くことは難しいと思っていたし、もしかしたら此処を出る時には私は死んでるかもって覚悟もしていた。
けど大介は私を受け入れてくれた、二人で殺し屋から足を洗う。


「大介、大好きだよ」


そう言って見上げたら、頬を撫でられてもう一度キスされる。
黙ってされるがままに受け入れていれば、熱い舌が私の唇を割る。
ビクっと反応すると、「いや?」と髪を耳に掛けられる。

ううん、と首を振った。
大介は「好きだよ」と、おでこに頬に、そして唇にキスをする。

立ち上がって抱き合って、白い壁に私達の影が重なった。
そのままベットに運ばれて押し倒され、見上げるとカーテンの隙間から差し込む灯りに照らされてピンク髪を揺らす大介が居て、あまりの綺麗さに息を飲んだ。

腕を伸ばせば、逞しい身体で私を包み込んでくれた。


「ずっと一緒に居よ」
「ずっと傍に居るよ」


殺し屋の私は、大介(幸せ)を手に入れた。

これからは大介と私で生きていこう。

二人で幸せになろう、と大介の背中に爪を立てながら誓った。

1◆ ”エス”という男。→←◆



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ゆきんこ(プロフ) - 悠砂さん» コメントありがとうございます!最後まで読んでもらえて嬉しいですし、続きを読みたいと思ってもらえたことも嬉しいです!続きを書くとしたら、今回のようなスピードでは書けないかもですが書けるように頑張りたいと思います😌ありがとうございました! (2022年8月8日 22時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
悠砂 - こんばんは。最後まで読ませていただき、続きが読みたいと思いました。ベッターでも占ツクでもいいので、続きが読めると嬉しいです!他の作品もあるので、大変かとは思いますが、ゆきんこさんの作品はとても好きなので、楽しみにしています。 (2022年8月7日 22時) (レス) @page44 id: cf5d43c431 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さーん!気にしてくれてる方いたー!って喜びの舞を踊ってます私😂 誰も気にしてないかぁって思ってたんですが、この伏線大好き女の私なので何かあるって思ってもらえないかなぁとか(笑) やる気出ました!頑張ります!! (2022年8月6日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あきさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます😊 その言葉励みに頑張っております!! (2022年8月6日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさーん!途中でコメント入れるのはお久なのですが、中編まで公開、お疲れ様です!いや、私気になってんですよ、お兄。←コレが言いたくてコメントしました🤣後編も楽しみにしてます! (2022年8月6日 19時) (レス) id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2022年8月4日 7時

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