◆ ページ15
その時、エスの後ろで秀平くんがもがきながら自分を縛るロープを必死に取ろうとしているのが見えた。なにやってんのよ！？ 今動いたら確実に殺させるって！！
「ねえ、お姉さん。見たよね？」
「う、あっ……見てません」
私は依頼者だ。依頼者として接しなきゃ。
「ええっ、絶対嘘じゃん！」
ピョンと跳ね上がった声はまるで子供のような無邪気さを感じたのに、次の瞬間エスは服の下から取り出したナイフをサッと背後へ投げた。見もせずに。
すると、秀平くんの心臓へ一直線にクザリと刺さった。
ダーツをするみたいに簡単に。
心臓を一突きするのも結構力がいるって言うのにコイツ！！
「見たね？」
「………っ…」
「しー。誰にも言わない。言ったら……どうなるか分かるよね？」
頷くしかない。
エスはそんな私にいい子だねと言って、任務完了を告げるとさっさと消えたわけだけど、残された私は震えを抑えるの必死だ。
あー、ヤバい人をターゲットにしてしまった。
この依頼私にこなせる？ お兄に頼る？
いや、そんなことをしたら私はまたこの世界から足を洗えなくなる。
なんとしてもエスを私が殺さなきゃいけない。
服を広げお腹の詰物を取り出す。
「ごめんね、なんの罪もない貴方を殺しちゃって」
秀平くん、助けてあげらんなかった。
巻き込んでおいて最低なんだけど、どうせ死ぬにしてももう少し楽に死なせてあげたかった。
それにしてもこの遺体、エスはこのまま放置するんだろうか？
連れて帰ってあげたい気持ちもあるけど、ごめんそれも出来ないや。
せめてもと思い、開いたままの瞼を閉じた。
最後に見た元彼の顔は、殺される恐怖と苦痛に歪んだものだった。
ピコン
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
送信者 : エス 2022/08/04 23:26
今日のことは二人だけの秘密です。
何もかも忘れて、お腹の子と幸せに生きて。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
忘れられるわけがない…………
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ゆきんこ(プロフ) - 悠砂さん» コメントありがとうございます！最後まで読んでもらえて嬉しいですし、続きを読みたいと思ってもらえたことも嬉しいです！続きを書くとしたら、今回のようなスピードでは書けないかもですが書けるように頑張りたいと思います😌ありがとうございました！ (2022年8月8日 22時) (
レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
悠砂 - こんばんは。最後まで読ませていただき、続きが読みたいと思いました。ベッターでも占ツクでもいいので、続きが読めると嬉しいです！他の作品もあるので、大変かとは思いますが、ゆきんこさんの作品はとても好きなので、楽しみにしています。 (2022年8月7日 22時) (レス) @page44 id: cf5d43c431 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さーん！気にしてくれてる方いたー！って喜びの舞を踊ってます私😂 誰も気にしてないかぁって思ってたんですが、この伏線大好き女の私なので何かあるって思ってもらえないかなぁとか(笑) やる気出ました！頑張ります！！ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - あきさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます😊 その言葉励みに頑張っております！！ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 81b6eaa049 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - ゆきんこさーん！途中でコメント入れるのはお久なのですが、中編まで公開、お疲れ様です！いや、私気になってんですよ、お兄。←コレが言いたくてコメントしました🤣後編も楽しみにしてます！ (2022年8月6日 19時) (レス) id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2022年8月4日 7時
