5.裁判 ページ5
_我妻side
『何これ何これ何これ』
自分の姿を見てAちゃんは混乱していた
そりゃそうだ
自分が突然、鬼になりました、なんて
スっと影がさして顔をあげれば
胡蝶さんが来ていた
トンッッッ
見事な手刀でAちゃんは意識を手放した
これから彼女の存在について話し合うらしい
どうか、彼女が、許されますように
_Aside
目が覚めると、恰幅の良い人と美しい人とよく分からない人に囲まれていた
『おはようございます』
癖で挨拶をしてしまった
返してくれる人は1人もいなかったけど
と、思ったら1人
?「おはよう」
優しい人がいた
心が一気に脆くなるような
そんな声音の人だった
自然に涙が零れる
1度落ちた涙は次々と溢れた
『ぅ、ひっ、うぇ、』
嗚咽は止まらない
親友や先生の亡骸、壊された学舎
一気に蘇ってきた景色はあまりにも残酷で
耐え難いものだった
?「お館様、このモノの処分は如何致しますか」
冷水を掛けられるような声音だった
怖い、私はこの人に殺意を向けられている
彼女の揺らめきは紅い闇を纏っていた
お館様「君の名前はなんと言うのかな」
私に向けられていると気づくのに10秒ほどかかった
『A、と言います』
情けない涙声
お館様「Aは今自分がどういう状況かわかるかい?」
『いいえ、意味が、…わかりません』
この人には嘘をつくべきでないと分かっていた
お館様「そうだね、小芭内良いかな」
小芭内「分かりました。聞け鬼、お前は胡蝶めによってここへ連れてこられた。お前は鬼だ、俺たちはお前が憎い、何故八重月のものを殺した」
『…え?……』
小芭内「陽に当たっても消えない、会話ができる、知能がある。見た所、お前は異能の鬼だ、もう一度聞く、どうして八重月のものを殺した」
八重月って、あれだよね、あの施設の名前
…私が殺したことになってるの?
『わっ、私は殺していない!!あの男が殺ったんだ!!黒髪の赤い目をした、長身のっ…!!』
急に立ったせいで立ちくらみが酷い
でも、叫ぶのを辞められなかった
何故私があの人たちを殺さなければならないのか
『なっ、で、私は生きてるの?お腹を、お腹を、抉られたのにっ、』
あの時の熱を思い出すと怖気が蘇る
『善逸君は、善逸君は?!?』
唯一頼れる相手なんてあの人しか残っていない
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名無し97177号(プロフ) - 物凄く私の好きなのにドストライク!これかも応援してます。!続き気になります!! (2019年9月29日 22時) (レス) id: e9ddd80024 (このIDを非表示/違反報告)
@トマト - 結婚しよ (2019年8月25日 14時) (レス) id: b84b38a155 (このIDを非表示/違反報告)
多雨(プロフ) - 零さん» え、結婚する? (2019年7月28日 20時) (レス) id: 3a7e52d2ad (このIDを非表示/違反報告)
零 - 私なら秒で嫁いく (2019年7月28日 19時) (レス) id: b9ca4b6036 (このIDを非表示/違反報告)
多雨(プロフ) - 零さん» えっ、超好き、、、 (2019年7月28日 17時) (レス) id: 3a7e52d2ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:多雨 x他1人 | 作成日時:2019年7月19日 21時