ギャァァ！モウ一匹ノ鬼連レ！鬼連レェ！！

3.正体 ページ3

＿Aside


施設の中の居間に柚木はいた

知らない男は柚木の首を捕まえ

今にも殺さんとばかりに殺意を纏っている

目の奥がズキズキと痛むくらいの漆黒の揺らめきだった


『柚木をっ、離して！！』

震える膝を叱咤し、男の腕を掴んだ

？「…」

男は私を一瞥すると興味がなさそうに腕を払った

それだけの動作で私の腹は抉れた

『づぅぅぅぅ！！！！』

一気に呼吸が乱れる

身体が熱い痛い痛い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い

ダクダクと流れる血は私の命の残量を表しているように思えた


善逸「Aちゃん！！！」

『っぁ、ぜ、いつく』

上手く呼吸が出来ないせいで視界がぼやける

でも善逸君と男が闘っている事だけは分かった

『あぁ、柚木、柚木』

ただただ親友の事だけを考えて

手を伸ばした

このままでは戦いに巻き込まれてしまう

守らなければ


善逸「雷の呼吸 壱ノ型・霹靂一閃」

彼の刀身が男の腕を割いた

？「ッチ」

2人の攻防をかいくぐり柚木を抱き寄せる

その身体は既に冷たくなっていた

『っぁ、ゆず、き』

震えた手は柚木の開いた目を閉じさせる事も出来ない

善逸「Aちゃん！！！下がって！！！」

そして、彼の言葉に反応することも出来なかった

ビチャビチャッ

と、嫌な音がして黒髪の男の血が全身に降り注いだ

4.変化→←2.亀裂

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