川村カップル 2【川村壱馬】

× 97 × ページ48

×









4月に入って私達は3年生になった


クラス替えはないから変わらない顔ぶれと変わらない担任。









始業式から毎日のように先生の口から出るのは進路の事


少し前にママからお金の事は気にせず大学に進んでいいのよってメール貰ったけど、

私の進みたい進路はもう決まってる。









壱馬は…どうするんだろ、


同じ家に居るけど、進学だったらまた沢山女子から言い寄られちゃうんだろうな…


っていう心配。



壱馬を信じてないわけじゃないけど、

考えずにはいられない


世の中の女の子全員壱馬のこと見えなかったら良いのに…









・









・









「ー？おい、A？」



『っ…ごめん』



「どした？」









壱馬に頭をくしゃっとされてようやく気付いた


周りを見れば北ちゃんと美沙ももう帰る準備をしてる









『え、HR終わったの？』



「とっくにな。んで、何かあった？」



『え？』



「ぼーっとして俺の事も気付かなかったろ？」









ちょっと拗ねたような顔して


私の机に肘を置いてしゃがんだ




同じ視線になるとじーっと見られて…


それに耐えられなくなって目を逸らすのは毎度の事









「逸らすなよ」


『だって、』


「ん？なに」


『あ、ねぇ、今日バイトじゃないの？』


「話逸らすな。バイトは明日」


『…』


「はいお前の負け。夜覚えとけよ？」


『え…、』









「頑張れAー」


「バカ！」









茶化してくる北ちゃんと


最近北ちゃんの保護者っぽく見えてきた美沙は



ひらひらと手を振って仲良く帰って行った









「ほら、俺らも帰んぞ」









×

× 98 ×→←× 96 ×

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す