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物理。壱 ページ3

『ど、どうしよう……』


「…取り敢えず、胡蝶に相談してみるか…」


そう言って蝶屋敷へ向かうけれど…とても、恥ずかしい。
交際経験無しの私は、殿方と手を繋いだことなんて、無いに等しい。
それなのに何の段階も踏まずに恋人繋ぎというのは…恥ずかしい。

お互いに、誰にも会いたくねぇ…と思っていたそんなとき。


「む?そこに居るのは不死川と天野か!!」

「…煉獄かィ…」『れ、煉獄さん』


馬鹿でかい声で知られる炎柱・煉獄杏寿郎さんに出会ってしまった。
彼は大きな目で私たちを見、手を凝視し、そして。


「よもや!!君たちは恋仲だったのか!!邪魔をしてすまない!!」

「違うわ!!」『違います!!』


二人で首をもげるくらいブンブン振って否定するも、煉獄さんは眩しい笑顔で言う。


「隠さなくてもいい!!仲が良いことは良いことだと思うぞ!!」


失礼する!!と言って風の呼吸の速さで煉獄さんは去っていった。
……これはまずい。非常にマズイ。


ちらり、と不死川さんを見上げると。
彼は話を聞け…と言いたげな顔で煉獄さんが去っていった方向をギリギリと睨んでいた。
そして、彼は舌打ちをして言う。


「これ以上面倒くさくなる前に胡蝶ンとこ行くぞ…!!」


私たちは、これまでで一番速いんじゃないかって思うぐらいの速度で蝶屋敷まで走った。
遠くだったので、着いたのは朝だったが。


「あらあら。お二人はそういう関係なのでしたか。びっくりです」


しのぶちゃんは口元に手を当てて、くすくすと笑う。
その様子に分かりやすく苛立つ不死川さんと、ヒヤヒヤする私。
相変わらず手は繋がったままだ。

走ってる時は、不死川さんが速すぎて何度引っ張られたことか。
そんな事を思い出していたら、しのぶちゃんは申し訳なさそうに言った。


「申し訳ありませんが…私に今できることはなさそうです。」


その言葉にガーン、という効果音がつきそうなくらい落ち込む私たち。


「…まあ、原始的ですが引っ張ってみるくらいのことはしてみましょうか」


そう言ってしのぶちゃんは女の子たちを呼んできた。
私の手をしのぶちゃんとなほ、きよが。不死川さんの手をすみ、カナヲ、アオイが引っ張る。


『いだだだだだ』「うるせェ騒ぐな」


結果で言えば、取れなかった。
すごくすごく痛かった。


「どうしましょうね。そんなに強い鬼でも無いようなので、もって一週間ってところではないでしょうか」


一週間、不死川さんとこのまま…ですと?

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ナイトウルフ(プロフ) - 最後、、、!一気に読んじゃいました(笑)さねみんイケメン…この話が現実になればいいのにッッッ 素敵な作品をありがとうございます!! (2022年2月13日 1時) (レス) @page28 id: 1bd66c2c15 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 夢中になって読みました! 他の柱の物理も読みたいですーーー! (2020年12月3日 0時) (レス) id: 1c30a1e22f (このIDを非表示/違反報告)
闇ちょこ(プロフ) - 番外編のおばみつちゅき(( (2020年7月31日 14時) (レス) id: e0b0a3b941 (このIDを非表示/違反報告)
銀時 - 凄い面白かった!天元が爆笑してるの想像したらめっちゃ笑えてきた! (2020年4月24日 3時) (レス) id: 6c694a1b22 (このIDを非表示/違反報告)
瀬田 - 幸せです (2020年3月24日 22時) (レス) id: 2c549b1da3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空風まりも | 作成日時:2019年12月14日 20時

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