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「ハイ！けが人は大人しく寝る！」
「そこ！こっそり出て行こうたってそうはいかないわよ！」
「あら、こ〜んな夜中に何処へお出かけかしら？」
「ヴ〜ッ なんでバレるんだよっ！」
目が6つぐらい付いてるんじゃないのかあの女の人は！
少女は何度も脱走に失敗し、ベッドの上でジタジタと悔しがる日々を過ごした。そして今日の昼、あの人が街へ買い物に行く時間帯を見計らって出ていこうと、そう決めたのに。
「？食べないの？」
「ヴ〜ッ」
むっちゃむちゃと昼ご飯を頬に詰める目の前の男の子…ゴンだったか？に邪魔されてしまった。
野生動物のように…あるいは機嫌の悪い赤子の様に唸り声を上げる少女に、ゴンは微塵も萎縮した様子を見せない。
出て行くだけなら簡単なのだ。しかし見ず知らずの人間に借りを作りたくないという少女のプライドがそれを許さなかった。あと普通にお金が無いのは困る。カバンの捜索は脱走計画において必須事項だ。
少女は不機嫌そうにスプーンを掴み、リゾットを平らげた。その目の前でゴンはチキンサンドを頬張る。そろそろ固形物が恋しくなってきたので、少女はなるべくチキンサンドを見ないようにした。悔しいことにリゾットもかなり美味しいのだが。
「Aはなんでそんなにここを出ていきたいの？」
「やらなきゃいけない事があるから。」
「そんなに身体ボロボロなのに？」
「ボロボロなのは慣れっこだからもう大丈夫なの！」
「でも死にかけてたんだよ？息して無かったし、お腹にこんくらいの木だって」
「え゛」
「あ、…ごめん。こんな話聞きたくないよね。」
少女は思わず自分のお腹をさすった。こんくらいの、と言ってゴンが指で表してみせた丸の大きさは直径約3cm程。…誇張したのだろうか。しかしゴンが嘘をついているようにはとても見えなかった。
「…そ、そんなの別に大した」
その瞬間、少女はお腹をさする手で包帯越しにその“木”の痕を見つけてしまう。縫われた痕を辿り、こめかみに汗がたらりと流れるのを感じた。
「ね、ねぇ。私ってどんな感じで倒れてたの。」
「う〜ん…聞かない方が良いよ。今はちゃんと元気だしね！」
あ！でもちゃんと安静にしてるんだよ！と言ってゴンは食器を抱え部屋を出て行った。
一人取り残された部屋で、少女はパタリとベッドに仰向けになる。
(…二個、あるんですけど。)
サッと血の気が引いて、“二本分”の縫合箇所をひたすらさすった。
(私、もしかして)
死んでたんじゃない？
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アップルパイ - あのめちゃくちゃ大好きな作品です、オリ主の絶対とか本当に大好きで最高です！何回も繰り返し読みました！ヒソカとかの絡みとかが面白くて大好きです！更新楽しみに待ってます (11月23日 7時) (
レス) @page35 id: 0177fc07a0 (このIDを非表示/違反報告)
アーモンドパイ - 話好み過ぎて無限に読めます😍ハンター試験〜闘技場の全部が最高だったので、かぴばらさんの描く夢主ちゃんのいるヨークシン編やキメラアント編メチャメチャ楽しみにしてます。素敵な作品に感謝😚 (2022年11月24日 1時) (レス) id: 413d74b396 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら2(プロフ) - そすさん» 貴方様のコメントに投げ銭したいです！💰師匠は本能的に何となくでゴックンしてたら嬉しいな〜フヒッと思って書きました😊吐き出した妄想全部理解してくださると照れるけどやっぱ嬉しいですね😚コメントありがとうございました！ (2022年10月10日 22時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - 番外編で夢主ちゃんのタイプが「自分より強くて常識外れで短髪でオシャレ(？) で完璧な肉体美の持ち主で歳上で束縛しなくて切れ長目で表情豊かで前世に固執しない人」で師匠が全部当て嵌まってるのがもう……一方その頃の毎度ぶっ飛んだ師匠の親心も好きです😇 (2022年10月8日 14時) (レス) @page35 id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら2(プロフ) - あんころさん» コメントありがとうございます🙇♀️私も夢主ちゃんが可愛くて仕方ありません🥰こうして夢主ちゃんが好きだと言ってくれるのホントに嬉しいです💗💗ゆっくりゆっくり書き溜めていってるので是非！楽しみにしててください！ (2022年7月21日 20時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴばら | 作成日時：2021年8月30日 22時
