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「おっ！いい匂い！」
「ミトさーん！お風呂上がったよ！」
料理の香りに釣られるようにしてホカホカと湯だったゴンとキルアが現れる。ミトは少女から視線を外すと、手を拭いてテキパキと指示を出した。
「なら早速ご飯ね。ゴンはおばあちゃん呼んできて！キルアは食器を並べてくれるかしら？」
「えーっ、オレ一応客だぜ？」
「あら、ならキルアの分のデザートは無しになるわね。」
「なっ」
「…働かざる者食うべからずってね」
「ぐっ」
あっさりと切り捨てるミトと追い討ちをかける少女。キルアはぐ…とたじろいだ後、しぶしぶ皿の山に手を出した。
「ありがと、助かるわ。」
にこりと笑うミトには逆らわない方が良いとキルアは本能で感じる。怒らせたら絶対おっかないタイプだ。おふくろとは違う方向の。
「おや、豪勢だねぇ。」
「ねっ！オレの好きなものいっぱい！」
「ゴンは何でも好きじゃん。」
「Aスポンジ見てもらってもいい？」
「はーい。」
良い感じの焼き色と膨らみ具合。もうバッチリだろうと少女はオーブンの中からスポンジを取り出す。ふわりと香った匂いにいち早く反応したのはキルアだ。
「ケーキか！？」
「正解、でもこれは食後。」
「なぁなぁちょっとだけ！」
「駄目、全部使うから。」
「チェッ、ケチ」
「ケっ…、はぁ〜〜！？」
「ハイっこれから食事だってのに喧嘩しない！」
「んぐっ」
「んむッ」
付け合わせのマッシュポテトを口の中に突っ込まれ、二人はむぐむぐと黙って咀嚼する。なめらかな舌触りとバターの風味が口の中に広がって、なんとも言えない幸福感だ。
「あ！いいなーっ！ミトさん！オレも味見したい！」
「もう、もうすぐご飯って言ってるのに。」
そう言いつつミトはスプーンでひとくち分すくい上げると、開けて待ち構えているゴンの口に運んでいった。
「んーっおいひい！」
「ハンバーグと一緒ならもっと美味しくなるわ。」
「楽しみだなぁ〜っ！はやく座ろっ！」
ピカっと笑うその顔は『幸せ』を体現した様で眩しいぐらい。そんな笑顔にあてられて、くだらない事で言い争うのがバカらしくなった二人は黙って頷く。
食事の匂いと射し込む太陽、窓から吹き抜ける爽やかな風。一つの食卓を五人で囲み、感謝を捧げ手を合わせる。
「…いただきます」
絵に描いた様な団欒。キルアは少し照れくさい不思議な気持ちになると同時に、
(こんな光景、ウチじゃありえないな。)
頭の片隅で、少し、そう思った。
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アップルパイ - あのめちゃくちゃ大好きな作品です、オリ主の絶対とか本当に大好きで最高です！何回も繰り返し読みました！ヒソカとかの絡みとかが面白くて大好きです！更新楽しみに待ってます (11月23日 7時) (
レス) @page35 id: 0177fc07a0 (このIDを非表示/違反報告)
アーモンドパイ - 話好み過ぎて無限に読めます😍ハンター試験〜闘技場の全部が最高だったので、かぴばらさんの描く夢主ちゃんのいるヨークシン編やキメラアント編メチャメチャ楽しみにしてます。素敵な作品に感謝😚 (2022年11月24日 1時) (レス) id: 413d74b396 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら2(プロフ) - そすさん» 貴方様のコメントに投げ銭したいです！💰師匠は本能的に何となくでゴックンしてたら嬉しいな〜フヒッと思って書きました😊吐き出した妄想全部理解してくださると照れるけどやっぱ嬉しいですね😚コメントありがとうございました！ (2022年10月10日 22時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - 番外編で夢主ちゃんのタイプが「自分より強くて常識外れで短髪でオシャレ(？) で完璧な肉体美の持ち主で歳上で束縛しなくて切れ長目で表情豊かで前世に固執しない人」で師匠が全部当て嵌まってるのがもう……一方その頃の毎度ぶっ飛んだ師匠の親心も好きです😇 (2022年10月8日 14時) (レス) @page35 id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら2(プロフ) - あんころさん» コメントありがとうございます🙇♀️私も夢主ちゃんが可愛くて仕方ありません🥰こうして夢主ちゃんが好きだと言ってくれるのホントに嬉しいです💗💗ゆっくりゆっくり書き溜めていってるので是非！楽しみにしててください！ (2022年7月21日 20時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴばら | 作成日時：2021年8月30日 22時
