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炭「鱗滝さん行ってきます!
錆兎と真菰によろしく!!!」
『…行ってきます。』
私と炭治郎くんはお揃いの羽織とお面を頭につけ玄関先で鱗滝さんに挨拶をした。
髪も短く、男物の着物を纏った私はまるで本当に炭治郎くんの弟になったみたいだ。
最終選別の会場である藤襲山までは少し(かなり)距離があるらしく、私と炭治郎くんは休憩を挟みながらもほぼノンストップで走る。
しかしながら不思議と体が疲れることもなく、
気がつけば藤の花畑の中にいた。
鍛錬の成果なのだろうか、頑張った自分を少し褒めてやりたい。
炭「…随分走ったが脚は大丈夫か?」
『あ、うん。大丈夫』
炭「そうか、良かった。
…A、見てごらん。凄く綺麗だな。」
炭治郎くんはそういうと藤の花にキラキラと目を向け、つられて顔を上げれば、今まで見たことのないほど美しい光景がそこには広がっていた。
『…炭治郎くん。
今度は禰豆子ちゃんと3人で来ようね。』
炭「!…ああ!絶対に来よう!!」
いつのまにか私の右手には炭治郎くんの左手が重なっていた。
あの炭治郎くんと言えども、まだ15歳の少年だ。
微かに震えているその手を私はそっと握り返した。
。。。
会場に着けばそこは既に沢山の子どもで溢れていた。
こんなに沢山いたのか…
確か生き残ったのはたった5人だったはずだ。
『(みんな…まだこんなにも小さいのに)』
あまりにも残酷な現実に溢れ出そうになる感情を隠すように狐のお面を顔に着けた。
『(…ここにいる鬼をみんな倒せば、
少しでも生き残れる子が増えるのだろうか。)』
炭「(また苦しい匂いがする…)」
匂いで炭治郎くんにばれしまったのだろう、
彼は慰めるように私の頭に手を置き、
「大丈夫だ、A。」
と優しい声が耳を通り抜けた。
「皆様、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます。この藤襲山には…」
最終選別の説明が進んでいく中、私の脳内は全く別のことを考えていた。
鬼を1人でも多く倒して回れば、生き残れる子も増える。
そして幸運な事に私にはこの血があるから、それほど重症でなければ助けられるはず。
うん。チート万歳。
…だが、錆兎と真菰の仇となる鬼に関しては炭治郎くんが倒さないと彼は成長できない。
うーん…どちらにせよ、私と炭治郎くんは別行動が必須になるからまずはそれを告げなければ。(反対されてしまいそう…)
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かなみ(プロフ) - #egg/たまごさん» 書いてて自分でも恥ずかしくなるくらいとんでもねぇ長男です(笑)こちらこそ、お立ち寄りいただきコメントまでいただいてありがとうございました!!これからも頑張ります!!! (2020年3月9日 1時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
#egg/たまご(プロフ) - とんでもねぇ炭次郎ですね!(最上級の褒め)素敵な小説ありがとうございます!更新頑張ってください! (2020年3月3日 9時) (レス) id: fef018cdc2 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ(プロフ) - くりりんさん» めちゃくちゃ返信遅くなってすみません!コメントありがとうございました!!これからも頑張って更新かけていきますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2020年3月1日 23時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
くりりん - コメント失礼します。これから主人公はどうなっていくのか楽しみです!ワクワク(*'▽'*)炭治郎が距離感近いのもドキドキします(//∇//)これからの展開も楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!!! (2020年1月8日 8時) (レス) id: c6b331e09a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かなみ | 作成日時:2019年11月22日 0時