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。。。




家の外に出てそれまで肺に詰まっていた空気をはぁっと出した。
吐いた息は白く、薄ら赫らむ空にふわりと消えて行った。
秋はもうすぐ終わり、やがて冬が来る。




『…命の期限…か…』




そんな話をされるとは、正直思っても見なかった



。。。


鱗「…血の呼吸、並びに時の呼吸の使い手は、2人とも短命だった。

ある日の夕暮れ時、急に体を動かすことが出来なくなり蝶屋敷へ運ばれたが打つ手もなく、そのまま帰らぬ人となってしまった…

齢にして2人とも24.5になったばかりだった。」




『24歳…そんな歳で…』


自らの元の年齢と然程も変わらない事に驚いた。

鱗「…原因は明白だった。

血の呼吸の使い手は、呼吸の技に自らの血を混ぜて鬼を倒し、

彼の血は我々人間にとっては神の薬と言われていて、その血を飲めばたちまち死者も蘇ると言われるほどだった。戦いの場において自らも負傷を負いながらも仲間の命のためにその血を捧げたと聞いた。


また時の呼吸の使い手は、その名の通り時間を止め、止めている間に鬼たちの首を刎ね殲滅へと導いたが、ただその代償として、自分が止めていた時間分の“ずれ”は全てその体に跳ね返りがきた。

ボロボロの体に鞭を打ち、鬼が居なくなるその日まで戦い続けた結果、2つの呼吸は使い手の身を滅ぼした。」


『…っ』


思わず息を飲んだ。
もし私のこの力が、血の呼吸なのだとしたら…



鱗「…そしてかつての血の呼吸の使い手には特徴があった。


…鬼を溶解出来る血を持っていた、という事だ。」


急に体温が落ち、時間が止まったような気がした。

囲炉裏の火だけが暖かく揺れていた。






『…私がその“血の呼吸”を使う者かもしれない、という事ですよね?』


鱗「…ああ、
もしそうだとすれば、お主の命はあと12年程だろう。」





。。。






『…12年』




自らの寿命もショッキングだったが、それよりも鬼との戦いで口走ってしまったこの“血の呼吸”の重大さに、私はメンタルをズタボロにされていた。


だって鬼を殲滅する程の力を持っていて史書にも実質チート最強装備と書かれていたも同然の内容だった訳で…


血の呼吸を一度使ってしまったらしい私は、前の使い手さんの様に強くならなければいけないのだ。

…私は何も出来ないただの一般人だ
…その私に出来るのだろうか
…その私に何が守れるのだろうか。






ただただ不安で心配で
正直言って逃げ出したかった。

13→←11 ちょっと話長いわ



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設定タグ:鬼滅の刃 , トリップ , 竈門炭治郎   
作品ジャンル:アニメ
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かなみ(プロフ) - #egg/たまごさん» 書いてて自分でも恥ずかしくなるくらいとんでもねぇ長男です(笑)こちらこそ、お立ち寄りいただきコメントまでいただいてありがとうございました!!これからも頑張ります!!! (2020年3月9日 1時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
#egg/たまご(プロフ) - とんでもねぇ炭次郎ですね!(最上級の褒め)素敵な小説ありがとうございます!更新頑張ってください! (2020年3月3日 9時) (レス) id: fef018cdc2 (このIDを非表示/違反報告)
かなみ(プロフ) - くりりんさん» めちゃくちゃ返信遅くなってすみません!コメントありがとうございました!!これからも頑張って更新かけていきますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2020年3月1日 23時) (レス) id: b605df076c (このIDを非表示/違反報告)
くりりん - コメント失礼します。これから主人公はどうなっていくのか楽しみです!ワクワク(*'▽'*)炭治郎が距離感近いのもドキドキします(//∇//)これからの展開も楽しみにしてます!!更新頑張って下さい!!! (2020年1月8日 8時) (レス) id: c6b331e09a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かなみ | 作成日時:2019年11月22日 0時

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